2016-01-01から1年間の記事一覧
ジェイムス・テイラーという人はどのアルバムを聴いても同じ質感で高値安定の株のような存在です。悪くいえば金太郎飴ですが、どれを聴いてもいいとも言えます。この作品は76年リリース。豪華ゲストを迎えた割には落ち着いた印象のあるアルバムです。 LPでい…
プリンスをきちんと聴こうと思ったのは恐らく20年くらい前だと思います。近くのレンタル屋で一通りのタイトルを借りてきて、その中から気に入った曲を編集して聴いていました。このアルバムからは「7」と「The Sacrifice of Victor」を選んだような記憶があ…
トッド・ラングレンの71年から73年にかけてのスタジオライブを3枚組にしたボックスセットが出ていたのは随分前から知っていましたが、この年末にやっと手にとることができました。これ、一体どういう代物なのか、発売当初は分からずにいましたが、聴いてみる…
ジョージ・マイケルが53歳という若さで亡くなりました。今年はデヴィッド・ボウイ、プリンスと信じられないような訃報が続きましたが、80年代の象徴だった人まで鬼籍の対象になっていくことを見せつけられる気がして、自分が歳をとったことを感じざるを得な…
先日ニューシングルがリリースされたスカートこと澤部渡のサードアルバムは本人曰くスカートとしてやりたかったことをかなりの割合でやり切ってしまったようなアルバムだということだったので、やはりこれは手にとるしかないと思って聴いてみました。 で、ど…
今年はMETAFIVEが活躍した年でした。高橋幸宏の次々つくるバンドの中でも最も成功したものになったような気がします。ご本人は気負わずにやっていると思いますが、結果として80年代テクノポップ黄金期の遺伝子と、それを正統に受け継いだ者たちの現代へのア…
少し前ですが、ムーンライダーズの再結成ライブに行ってきました。さすがにこれが最後かなと思い迷った末に参加しましたが、やはり内容は良かった。セットリストはこちらに上がっています。 http://dailysetlist.net/archives/53367 今回の「活動休止の休止…
XTCの86年リリースの『Skylarking』が一連のスティーヴン・ウィルソンによるミックスで決定盤として再発されました。例によって大量のデモトラックや5.1chのミックス等を伴った集大成的なもので、CDとブルーレイディスクとの2枚組です。 この作品については…
キリンジ脱退後の待望のソロアルバムが届きました。間にカバーアルバムなどはありましたが、本格的なソロ活動としては本作が皮切りとなります。 管楽器を入れてスケールの大きい音楽を志向している、という触れ込みでしたが、なるほど、新展開はありそうです…
再集結はちみつぱいのライヴDVDは1988年の再結成ライヴとの2枚組で収録時間が4時間弱となりました。ここまでくると、まるで映画を観るような感覚です。 はちみつぱいは元々老成していたバンドでしたので、今回の再集結で楽曲が年齢相応になってきたような感…
6年ぶりの石野卓球新作。かなり吹っ切れた内容となっているという評判でしたので、期待して聴きました。思えば前作の『CRUISE』はかなり落ち着いた印象の作品でした。その後すぐに新作を出すといってから6年の歳月が過ぎ去ってしまいましたが、予想していた…
先週行ったワールドハピネスが既に遠い昔のように感じられますが、ずっと観ていなかったライブ映像作品をやっと観ました。まるで先週の復習をしているかのようです。 ステージ構成はワールドハピネスとほぼ同じ。演出もこの頃に出来上がっています。基本は黒…
今年も行ってきました。夢の島では最後の開催ということで、若干今後の不安を憂慮しつつの参加です。正直なところ、初期よりは大分混雑も控えめになってきている気がするので、快適さは増しましたが、果たしていつまで継続できるのか、という不安がよぎりま…
新体制キリンジの2作目はラップから始まりました。 ライムスターとの共演は他のアーティストでもよく見られるものですが、まさかキリンジがやるとは思いませんでした。とても洗練された格好いい曲ですが、キリンジの曲なのか、というのも正直な感想。新機軸…
はちみつぱいの楽曲を初めて聴いたのはムーンライダーズの10周年記念コンサートの映像だったと思います。「塀の上で」が唐突に演奏されたんですが、当時まだ駆け出しのファンでしたので、「この渋い曲は一体何だ?」と気になって仕方ありませんでした。その…
モンキーズ結成50周年を記念して20年ぶりにリリースされた新作。気の遠くなるような時間軸ですが、不思議と年月を感じさせない若々しい作品に仕上がっています。勿論購入のきっかけはアンディ・パートリッジの提供作品です。 日本盤はボーナストラックでアン…
カーネーションの新作が出ました。既に大評判なので期待して聴きましたが、確かにとても良い作品です。 先日聴いたオリジナル・ラブもそうですが、ここへ来て吹っ切れての原点回帰、というより自らのルーツ、初期衝動を振り返ることへの抵抗を取り払って、自…
やっと聴けたキンクスの72年リリース作の再発盤。版権がソニーに移って以降、『ローラVSパワーマン』に続いてのレガシーエディションです。 ボーナスディスクに収録されているのは同時期のライブ音源が中心。実際オリジナルもスタジオ録音盤とライブの2枚組…
トッド・ラングレンの85年リリース作品は自らの声のみで構成されたアカペラ作品でした。当時は既にサンプリングの技術は世に出てきていましたが、それをテクノではなくこうした形で表現してきた点は新しさという点よりもならではというアプローチ。あくまで…
85年リリースのユートピア最終作。80年代の前半はトッド・ラングレン不遇の時代ですが、それを象徴するような作品です。楽曲的には冒頭の「Play This Game」やその後何度もライブで演奏されることになる「Mated」等を収録していて決して見逃すことはできない…
祝!オリジナル・ラブ25周年! ということで、記念シングルがリリースされました。何ともめでたい話ですが、しかし田島貴男のパワーは凄い!付属に付いているDVDにひとりソウルショウの映像が収録されていますが、単独で会場を盛り上げる技術とパワーには感…
00年にリリースされたシンバルスの2nd。シンバルスはシングル主体のバンドだと思っていたので、アルバムは解散時に出たベストアルバムしか持っていませんでした。実際、活動していた頃の印象は遅れてきた渋谷系、といったものでしたが、今振り返ってみると構…
ユートピアの83年リリース作品。ここでは何といっても「Maybe I Could Change」でしょう。この曲の良さに気付くまで随分と時間がかかってしまいましたが、その理由はこのアルバム自体が埋もれてしまうからです。 音は比較的派手なんですが、楽曲がどうしても…
ベアズヴィル最後の82年リリース作品。LPではA面にあたる前半4曲が最高です。非常にポップかつ繊細な音で、電子音のみならずアコースティックギターの響きがとても心地良い。かつメロディもよく練られていて、リフがとても印象的です。元祖宅録のアーティス…
82年の作品。ユートピアはここから急速に失速していきます。これ以降の作品は楽曲単位で光るものはあるものの、バンドの個性としては突出したものは消えていってしまい、レコード会社が変わってからはプロモーションも左程行われなくなってバンド自体が自然…
81年リリース。ここで展開されるトッド・ラングレンの内省モードは聴いた当初は印象を薄めるものでしたが実は結構聴くアルバムです。 何といっても冒頭の「Healer」。この爽やかで複雑な曲は密かに躍動感もあってとても魅力的です。基本的に再度単独で作り上…
ユートピアで一番有名なのはこのアルバムかもしれません。全編ビートルズのパロディ。『Faithful』でも「Rain」や「Strawberry Fields Forever」を完コピしていたトッド・ラングレンですが、ここではビートルズのエッセンスを吸収してオリジナルの楽曲に仕立…
2ndも大量のボーナストラックを追加して2枚組全43曲での再発となりました。ここのところデラックスエディションでの再発ラッシュですが、こんなにも大量の楽曲を追加しての再発はなかなかないのではないでしょうか。 本作はオリジナルアルバムとしては全6曲…
ムーヴの再発は過去何回か行われていますが、全65曲、3枚組という凄まじいボリュームで今回決定盤がリリースされましたので、これはもう一生モンということで手にしました。まずは68年リリースの1stです。 基本的に1枚目がモノラル、2枚目がステレオ、3枚目…
民主主義に舵を切ったユートピアの80年リリース作。ここでは全体的にノッペリし始めてきていますが、シングルヒットが出たことで一番売れたアルバムと言われています。 冒頭3曲が聴きもので、勢い良く始まる「The Road to Utopia」「You Make Me Crazy」は何…