2016-04-01から1ヶ月間の記事一覧

フランク・ザッパ『You Are What You Is』

80年代のフランク・ザッパは音が分かりやす過ぎる気がしてずっと避けてきたんですが、よくよく考えてみれば数多いライブ盤で慣れ親しんできているので聴かない理由もないかなと思い手を出してみることにしました。81年のこのアルバムには『You Can't Do That…

ユニコーン『シャンブル』

先日ケーブルTVで何気なしに映画を観ていたらエンディングテーマで流れてきたのが本作に収録されている「サラウンド」でした。もしかして奥田民生かな?と思いましたが知らない曲。実は奥田民生は聴いていてもユニコーンは敢えてノーチェックなので、知らな…

ピチカート・ファイヴ『ボサ・ノヴァ2001』

共同プロデューサーに小山田圭吾を招いたという点に当時は驚きました。まだコーネリアスとして活動を始める前で、しかも当時の若手に身を委ねるという手法はムーンライダーズが98年に『月面讃歌』でも採用しましたが、とても勇気のある選択であったように思…

ピチカート・ファイヴ『ROMANTIQUE '96』

これは比較的好きなアルバムです。『オーヴァードーズ』や『ボサノヴァ2001』には及ばないものの、当時のスピード感を体現していて立て続けに振り込まれる楽曲群の連続技に息つく暇もない程。ただ少し陰りも見えてきたかな。次作以降でそうした影は成熟度と…

ピチカート・ファイヴ『HAPPY END OF THE WORLD』

この作品はリミックスアルバムだと思います。共同プロデューサーに福富幸宏を迎えていることもありますが、当時のシングル曲等がそのままのバージョンで収められることはなく、ほとんどにリミックスが施されている。この辺りがやはり捻くれていますが、これ…

ピチカート・ファイヴ『プレイボーイ・プレイガール』

ピチカート・ファイヴで一番好きなシングルは「メッセージ・ソング」か「恋のルール・新しいルール」なんですが、「ウィークエンド」も捨て難い。このあたりの感じがこのアルバム周辺に集中しています。98年のリリースですね。 細川俊之のシアトリカルなナレ…

スクイーズ『Domino』

先日新作も出たスクイーズの2度目の解散前の作品。98年リリースです。 こちらもApple Musicで予習していましたが、前作の『リディキュラス』同様安定感はあるもののインパクトに欠けるという出来映え。色々あったんでしょうがこれだけメンバーチェンジと解散…

ラズベリーズ『Side 3』

プリンスの訃報に胸を痛めつつ、気をとり直して最近再発されているラズベリーズの73年リリース3作目を聴きましょう。 こちらもApple Musicで充分予習をしてから聴いているので凡その雰囲気は理解した上で手にとりました。ラズベリーズはベスト盤だけは持って…

ピチカート・ファイヴ『PIZZICATO FIVE』

世紀末の99年にリリースされたラス前作品。90年代後半のピチカート・ファイヴは安定感抜群で楽曲にも深みが出てきていましたのでクオリティは言うことなしですが、特殊パッケージも含めて実は何度も手が伸びにくい、言ってみればマンネリ感が出てきていたの…

ピチカート・ファイヴ『さ・え・らジャポン』

細野晴臣が70年代に提示した海外から見た日本のイメージをフェイクとして演じた音楽を2001年時点の段階で捉え直した特異な最終作。この時点での日本のイメージをポケモンや君が代、はっぴいえんどやスパークスといった材料を使って現代風に料理し、見事なコ…

アンディ・パートリッジ『Fuzzy Warbles Vol.8』

アンディ・パートリッジのデモ集ラスト。この後この『Fuzzy Warbles』シリーズは何とボックス化されて、更に未発表曲集の『Hinges』をつけて製品化されるというマニア泣かせの出来事がありました。今回の再発ではこれらの作品集は各々3枚組化されて再発され…

アンディ・パートリッジ『Fuzzy Warbles Vol.7』

アンディ・パートリッジのデモ7集目。何といっても傑作「Sonic Boom」です。シリーズ中一番の楽曲だと断言しましょう。こんなにカッコいい曲はない。どこかのバンドがライブでコピーしているのをYou Tubeで観ましたが、それくらいこの曲の説得力は抜群です。…

アンディ・パートリッジ『Fuzzy Warbles Vol.6』

アンディ・パートリッジのデモ第6集。日本盤が出たのはここまで。あまり売れなかったんでしょうか。 「Difficult Age」と「Prince of Orange」はNapstarで聴いたことがありました。基本的に比較的未発表曲の割合が多いディスクです。冒頭の笑い続けるトラッ…

アンディ・パートリッジ『Fuzzy Warbles Vol.5』

アンディ・パートリッジのデモ集も後半に差し掛かりました。こちらのリリースは04年。XTCの新作はもうないのだろうか、と思いを馳せつつ聴いていると過去の作品がどのようにもなり得たという可能性のゲームを楽しむようになります。 未発表曲の中では「I Def…

グレン・ティルブルック『Transatlantic Ping Pong』

04年リリースの2nd。こちらはセルフプロデュースのためか、若干音が鋭くなってきています。1stにあった温かさが若干後退して音の質感が後期スクイーズに近くなっている。リフが継続する楽曲も目立つので、少しマシュー・スウィートのよう。ポップさは1stの方…

グレン・ティルブルック『The Incomplete Glenn Tilbrook』

01年にリリースされたスクイーズのグレン・ティルブルックの1stソロ。これは非常にいい。 スクイーズは何度か解散、再結成を繰り返していますが、つい最近も再結成されていいアルバムを届けてくれました。本作は99年の『ドミノ』で2度目の活動休止を宣言した…

アンディ・パートリッジ『Fuzzy Warbles Vol.4』

第4集は何といっても「Blue Beret」でしょう。『オレンジズ&レモンズ』発表時のアメリカFM局でのアコースティックライブ音源が海賊盤で出回っていましたが、そこでピカイチのクオリティを醸し出していた曲。文句なしに素晴らしい演奏でしたが、ここでのデモ…

アンディ・パートリッジ『Fuzzy Warbles Vol.3』

03年リリースの第3集。愛するアーティストのデモ音源というのは手放しで喜べるものですが、やはり既発曲のデモ音源より未発表曲の方がどうしても気になってしまいます。 ここでいえば「Then She Appeared」の原曲「Goodbye Humanosaurus」や「Work」「This I…

アンディ・パートリッジ『Fuzzy Warbles Vol.2』

XTCのアンディ・パートリッジのデモ集第2弾。発売時は2作ずつ同時にリリースされていたので第1集と同じく02年の発売となります。 ここでは何といっても2曲目の「I Don't Want To Be Here」の完成度に目を見張るものがあります。この曲の初期バージョンはネッ…

Perfume『COSMIC EXPLORER』

Perfumeの新作が出ました。これは王道回帰です。 Perfumeを聴き始めたのは『GAME』からでしたが、このアタックの強い音とピアノの響きは当時に近い。オープニングこそ壮大な雰囲気で始まりますが、非常に音が攻めていて、この後娘に聴かせるのに「STORY」な…

アンディ・パートリッジ『Fuzzy Warbles Vol.1』

02年にリリースされたXTCのアンディ・パートリッジのデモ第1集。この後第8集まで続くことになります。 XTCの未発表曲は大量にあって、かつてはカナダのファンクラブのために制作されたカセットや海賊版等で世に出ることが多かったんですが、後にNap Star等で…

キリンジ『DODECAGON』

第2期キリンジの始まりを告げる06年リリースの6作目。冒頭の「Golden Harvest」での打ち込みに度肝を抜かれました。キリンジが電子音楽?という従来のイメージを覆すアプローチは冨田恵一の綿密なプロデュースワークから離れて自らがプロデュースする作品と…

エリック・カズ『Eric Kaz』

昨年出たエリック・カズの41年ぶりのアルバム。こちらもEveryday Musicで紹介されていましたが、高橋幸宏はエリック・カズのことを知らなかったようでした。岡田徹もツイッターで紹介してましたね。 一時期渋谷系の元ネタとしてエリック・カズがもてはやされ…

ジム・オルーク『Simple Songs』

昨年出たジム・オルークの新作は高橋幸宏のEveryday Musicでかかっていたのでずっと気になっていました。その名の通り佇まいはシンプルですが、基本は構築形のアーティストですので細部の細かさが裏側に隠れていて、高橋幸宏曰く「よく出来ている」アルバム…