2016-05-01から1ヶ月間の記事一覧

ユートピア『Oops! Wrong Planet』

ユートピアがポップスバンドになり始めた77年の作品。この年はユートピアとして2枚のアルバムをリリースしています。このアルバムはよく聴きました。 メンバーも4人で定着して、各自の楽曲をバランスよく収めた作品でもありますが、何より楽曲がいい。冒頭の…

ユートピア『Ra』

ユートピアが現行の4人体制になって初めてのアルバムで、プログレ期は大体ここまで。ここでの演奏はとてもタイトで楽曲の粒立ちも丁度良い具合です。 2曲目の「Magic Dragon Theater」は鈴木さえ子がお気に入りで挙げていた楽曲で、そのコーラスワークの複雑…

U2『The Unforgettable Fire』

U2

U2を『War』だけ聴いておけばいいと思っていたのはこの作品をリリース当時聴いて地味に感じたからかもしれません。基本的に説教臭い音楽は余り好きではなかったですし、シングルヒットした「Pride」も何となくしつこい感じがしたので琴線に触れなかったんで…

プリンス『Batman』

プリンスの訃報には本当に驚きましたが、その後もアルバム100枚分の録音物が見つかる等、その多作ぶりが分かる事実が報じられています。凄まじいまでの創作意欲ですが、正直言って作品が追い切れていない中での訃報でしたし、ここ最近ワーナーに復帰して充実…

トッド・ラングレン『Faithful』

カバーアルバムというのは世に数多あれど、完コピで通すというのは余り例がないのではないでしょうか。LPでのA面すべてをビートルズやビーチ・ボーイズ、ヤードバーズ、ジミヘン、ボブ・ディランといった楽曲のカバーで埋め尽くした不思議なアルバムですが、…

ユートピア『Another Live』

75年という年はトッド・ラングレン関連で3枚ものアルバムがリリースされた年なんですが、こうした多作なところもトッドのひとつの魅力となっています。ユートピアの作品の中でもこの作品は比較的好きなんですが、要因は初期のプログレ趣味と後のポップス路線…

トッド・ラングレン『Initiation』

75年リリースの本作でもトッド・ラングレンのプログレ趣味は止まりません。LPのB面はインストの組曲という独特の編成で、発売当時LPの収録時間ギリギリの約35分という大作。並行して活動していたユートピアの作品と共にこの傾向はしばらく続いていきます。 …

トッド・ラングレンズ・ユートピア『Todd Rundgren's Utopia』

この時期のトッド・ラングレンはプログレ趣味に走り始めていました。同じ74年に出されたソロ『Todd』の方でもその兆しは見え始めていましたが、翌年の『Initiation』でも趣味は爆発している。そうした自分の趣味嗜好を実現するためにユートピアというバンド…

トッド・ラングレン『Todd』

トッド・ラングレンの混沌を味わうには前作の『A Wizard, A True Star』が一番だとは思いますが、それがバランスよく爆発しているのは本作の方が一枚上です。自信に満ちた活動絶頂期の振れ幅の大きい2枚組大作が74年リリースのこの作品です。 とにかくいい曲…

パブリック・エネミー『Fear of A Black Planet』

パブリック・エネミーの90年リリース3rd。もう26年も前の作品になりますが、リードトラックの「Fight The Power」がずっと気になっていたのでこちらも中古で探していました。ここのところ探していたものが安く入手できています。 ラップ/ヒップホップの場合…

トッド・ラングレン『Something / Anything』

トッド・ラングレンの72年リリースの3rdは2枚組の傑作となりました。リードトラックの「I Saw The Light」はトッドの代表曲として余りにも有名。しかしその質感は意外と稚拙なものだったりします。 LPのA面からC面まではトッド独りの多重録音。ここでのトッ…

グレイトフル・デッド『American Beauty』

グレイトフル・デッドを薦められたのは、自分がザッパを聴いているという話を会社の人にしたところ「それならデッドも聴くべきだよ」と言われた20年前の話です。それ以降、本当に少しずつではありますが気にして見ていましたが、ついぞ本格的にはまることは…

トッド・ラングレン『The Ballad of Todd Rundgren』

トッド・ラングレンのこの2ndは本当によく聴きました。次作の『Something / Anything』が名作とされていて実際そうなんですが、その1作前の本作こそピュアなトッドの魂が素直なままギュッと詰まっていて、各々の曲にさりげない魅力が一杯です。 白眉はやはり…

トッド・ラングレン『Runt』

トッド・ラングレンをまともに聴き出したのはご他聞にもれず88年のCD再発からですが、この1stはとても印象深くてその後もずっと聴き続けています。ナッズ解散後、ひとりでエンジニアの勉強をしてベアズヴィルに雇われて制作した作品で70年のリリース。やはり…

立花ハジメ『Hm』

立花ハジメの2ndは前作から大きく飛躍した傑作となりました。サックスを基本とした構成は変わりませんが、よりスケールが大きくなって楽曲の粒立ちも増しています。とても好きな曲が多いアルバムです。 2曲目の「Piano Pillows Going Abstract」は前作に収録…

立花ハジメ『H』

立花ハジメ本人も当時語っていたように、出した瞬間に古典になるような作品を作る、という一貫した姿勢で各々のアルバムは制作されていたと考えます。82年リリースのこの1stアルバムはリリース時からして既に孤高の雰囲気が漂っていて、アマチュアリズムが芸…

10cc『Meanwhile』

92年に10ccが復活すると聴いた際には狂喜乱舞しましたが、結果的にゴドリー&クリームの参加は一部に留まってしまったため若干残念な出来となってしまった作品です。今聴くと上品なAORのようでなかなかいいんですが、やっぱり全盛期の再現を一回でいいから行…

カースティ・マッコール『Kite』

カースティ・マッコールを初めて耳にしたのは全英チャートで「ニュー・イングランド」という曲がヒットした頃でした。スティーヴ・リリーホワイトの奥さんということで音の感触もそういった感じで記憶に残っていましたが、しばらく前に作品がボーナスディス…

矢野顕子『Twilight』

確かテクノポリス2001だったと思いますが、ピーター・バラカンと矢野顕子のラジオ番組が復活した際の録音がネットに上がっていて、その中で丁度この作品の発売時だったこともあり、何曲か紹介されていたのを聴いてずっと中古屋で探していました、先日GW後の…

10cc『Deceptive Bends』

ゴドリー&クリーム脱退後の77年リリース作品。非常に頑張っている作品という印象です。これ以前のアルバムに比べて聴く機会は少ないですし、これ以降のアルバムには手を出していないのでどうしても印象が薄くなりがちです。ただ、リードトラックの「愛ゆえ…

10cc『How Dear You!』

ムーンライダーズから椎名和夫が脱退する際の決め手となったのは、今後のバンドの方向性が10ccかスティーリー・ダンか、との問いに10ccだと鈴木慶一が答えたことがきっかけになっている、という話があります。同時期に活躍した2つのバンドの中で、よりテクニ…

10cc『The Original Soundtrack』

75年リリースの3rd。大作ですが、10ccとしてのバランスが保たれていたのはここまで。次作を最後にバンドは分裂してしまいます。この息の短さはまるではっぴいえんどのようですね。 代表曲の「I'm Not In Love」は異常な曲で、こんな前衛的なアレンジの曲がヒ…

10cc『10cc』

10ccの73年リリース1st。どうしてもリードトラックの「Donna」の印象が強くて、ビートルズの「オー・ダーリン」の焼き直しのようなイメージで捉えてしまうんですが、よく聴くと各曲の構成はとても凝っていて、久しぶりに聴くとその魅力に魅せられてしまいま…

ピチカート・ファイヴ『スウィート・ピチカート・ファイヴ』

92年にリリースされたこの作品で自分はピチカート・ファイヴを初体験しました。それまでは細野晴臣のノン・スタンダードからデビューしたということ以外に左程の知識はありませんでしたが、ボーカルに野宮真貴を据えて何か新しいことを始めているらしいとい…

KIRINJI『EXTRA 11』

新生キリンジの2作目はライブ盤ということでずっと手を出さずにいましたが、中古屋で未開封品が安く買えたので今回やっと手にしました。やはり既発曲にはなかなか手が出ないものです。しかし変則的なリリースを行いますね。 実際にはライブで演奏されたバー…

カーリー・ジラフ『Thank You For Being A Friend』

これは思わぬ拾い物をしました。元グレイト3の高桑圭によるカーリー・ジラフの豪華ゲストをボーカルとして迎えたセルフ・カバー集。09年リリースです。 高桑圭を知ったのは高橋幸宏のIn Phaseですが、最初はカーリー・ジラフとしてソロ活動を行っていること…

HAT『Tokyo - Frankfurt - New York』

96年リリースの細野晴臣、アトム・ハート、テツ・イノウエによるユニットの1st。 この辺りの細野晴臣の一連の作品はアンビエント後の時期とあって実は聴いていませんでした。しかし96年という年はデイジーワールドを立ち上げてスウィング・スローやビル・ラ…

ジェイムス・テイラー『Gorilla』

しかしジェイムス・テイラーという人は外れがない。「どれを聴いてもいい」と以前高橋幸宏がラジオで言っていましたが、本当にその通りでどの作品を聴いても一定のクオリティをクリアしているように思います。 この作品は75年にリリースされた6作目。参加ミ…

MIKADO『冬のノフラージュ』

細野晴臣のノン・スタンダードから84年にリリースされていたMIKADOの作品が再発されました。これは覚えてます。 当時、FOEで益々過激になりつつあった細野晴臣周辺で一服の清涼剤になっていたこのフランスのユニットは何かにつけて話題になることが多く、一…

堀込泰行『CHOICE』

元キリンジの弟、堀込泰行の1stは驚いたことにカバー集でした。元々はノーナリーヴスの西寺郷太がビルボードに立ち上げたシリーズのようですが、往年のヒット曲、ニック・ロウから始まってドアーズやキャロル・キング、果てはロイ・オービンソンの「プリティ…