坂本龍一

スコラ 坂本龍一 音楽の学校 20世紀の音楽編第2回

20世紀の音楽。今回はストラヴィンスキーとバルトークでした。最後にラヴェルも出てきますが、基本的に脱西欧で規範をロシアや東欧、そしてアメリカに求めていった過程を辿った内容でした。 ほとんどクラッシックを聴かないので馴染みがないですが、バルトー…

青葉市子と妖精たち『ラヂヲ』

先日放送された細野晴臣と坂本龍一のコンサートの源流は青葉市子にあるのではないかと思い、昨年買いそびれていたNHK-FMニューイヤー・スペシャルでのスタジオライブを手にしました。予測は半分当たって半分外れた感じです。 メンバーは細野晴臣、坂本龍一の…

スコラ 坂本龍一 音楽の学校 20世紀の音楽編第1回

中心がないからカオス。なるほど、等価とはそういうことか。 今回から始まった最終シリーズ。20世紀の音楽編は非常に難しいです。最初一回観ただけでは何のことかよく分かりませんでした。しかし、シェーンベルクの無調音楽、十二音技法の背景を注意深く聞い…

スコラ 坂本龍一 音楽の学校 日本の伝統音楽編第5回

日本の伝統音楽も今回が最後となります。今回は三味線と語りの話でした。 人形浄瑠璃や義太夫節といった音楽に話が及びますが、三味線の演奏者の方が対談中におもむろにチューニングを始めて歌い出すところが意外とカッコよかった。その上でテンポやコードを…

スコラ 坂本龍一 音楽の学校 日本の伝統音楽編第4回

能の基本は言葉か・・。 今回は能・狂言における言葉と音楽、というテーマの内容でした。自分はすっかり能の基本はリズムなのかと思っていましたが、どうやら違うようです。基本は謡であって、演奏者も皆それを覚えて舞台に上がる。その言葉をベースにリズム…

スコラ 坂本龍一 音楽の学校 日本の伝統音楽編第3回

「拍に気をぶつける」。なるほど、面白いことを言いますね。 今回は能と狂言がテーマでしたが、以前書いたように能には触れる機会が多少なりともあったので何となく親しみがありました。でもよく考えるとこれは結構異質な音楽で、とても奇妙な構成で成り立っ…

スコラ 坂本龍一 音楽の学校 日本の伝統音楽編第2回

2回目は雅楽でした。これはいくつか発見があった。 まず琵琶ですね。単純にバチを振り下ろす高さによって音の高低が変化するという事実。またシルクロードを通って西に伝わったのがギターで東に伝わったのが琵琶だという話。このあたりはなるほどと思わされ…

スコラ 坂本龍一 音楽の学校 日本の伝統音楽編第1回

続いてのテーマは日本の伝統音楽。母親が能をやっていたので、子供の頃は何かというと家に笛の音が響き渡っていたりする環境で過ごしました。独特なリズム感と音程のない音楽。そこに魅力を見出すには至りませんでしたが、「日本の音楽」というものが演歌み…

スコラ 坂本龍一 音楽の学校 電子音楽編第4回

電子音楽編最終回は物議を醸しそうですね。議論の方向性をメタレベルに振った形で終了しました。果たしてこの方向性で良かったのか。 テーマとして「メディア」が提示され、録音技術についての方向に議論が展開されます。それそのものは非常に興味深い話でし…

スコラ 坂本龍一 音楽の学校 電子音楽編第3回

3回目はシンセサイザーが主題でした。やはり思った通り数学的。パッチとかフィルターとか、アプリやオーディオに関連する単語が出てくるので改めて親近感が湧きます。ハイパスフィルター、ローパスフィルターといった用語は音質系でよく使われる言葉ですね。…

スコラ 坂本龍一 音楽の学校 電子音楽編第2回

本日は坂本龍一さんの誕生日です。そして明日は自分の誕生日、ということでタイミングのいい鑑賞となりました。今回はやはり面白かった。 録音・再生技術の発展、ということでテープレコーダーが出てきますが、何より刺激的だったのは「音をモノとして扱える…

スコラ 坂本龍一 音楽の学校 電子音楽編第1回

昨日から第4シーズンが始まりました。およそ1年ぶり。今回は電子音楽から始まります。初っ端はテルミンでしたが、オンド・マルトノの方が演奏のインパクトは大きかったですね。 テルミンはビーチ・ボーイズやコーネリアスですっかりお馴染みですが、改めて演…

坂本龍一『Smoochy』

大掃除をしていたら本棚から出てきました。昔買ったことは覚えていましたが、余り聴かないので売ろうと思ってしまいっぱなしだったんですね。その位思い入れのない作品でしたが、最近になってピアノ中心の活動になり『美貌の青空』や『Tango』といった曲が再…

坂本龍一『戦場のメリークリスマス 30th anniversary edition』disc 2

ディスク2はアウトテイク集です。ライナーにもあるように録音ではかなり多くの音色を試行錯誤して作り上げたそうですので、こうした音の異なるバージョンが残っているとのこと。それにしてもまるで弦楽器のように聴こえている音がすべて電子楽器の処理によ…

坂本龍一『戦場のメリークリスマス 30th anniversary edition』disc 1

戦メリのサントラが再発されました。実は映画音楽が苦手なのでこれだけは持っていなかったのですが、音がいいとのもっぱらの評判なので大枚はたいて購入。しかしこの時期に3800円とは何と強気な・・。 エンジニア自身語っている通り、音圧がかなり低めです。…

スコラ 坂本龍一 音楽の学校 オーケストラ編第3回

オーケストラ編第3回。これでシーズン3も最後です。今回も色々と勉強させてもらいました。ライフワークのように続けていって欲しいと思います。大変でしょうが頑張って頂きたいですね。 オーケストラ編はワークショップが圧倒的に面白かった印象があります…

スコラ 坂本龍一 音楽の学校 オーケストラ編第2回

オーケストラ編の第2回は非常に見所の多い内容でした。 まず、社会の歴史との関連で産業革命に触れたパート。それまで弦楽器中心だった構成が鉄鋼加工技術の進化によって管楽器が高度化して旋律を奏でられるようになる。そうすると管楽器の比率が増してきて…

スコラ 坂本龍一 音楽の学校 オーケストラ編第1回

今回からオーケストラ編が始まりました。正直言って自分には馴染みのない音楽なので、どのくらい興味が惹かれるかは未知数ですが、「集団」として捉えるとまた違った見え方がしてきます。 ワークショップで物理的な楽器の配置を変える試みをやっていたのは面…

スコラ 坂本龍一 音楽の学校 アフリカの音楽編第4回

アフリカの音楽、最後はアフリカのポップスに触れていました。当然フェラ・クティも出てきます。 それにしても大分西洋との文化の行ったり来たりがあったんですね。古くは奴隷から始まって戦争を経由し、最終的にはヒップホップに至る。これらはすべて人によ…

スコラ 坂本龍一 音楽の学校 アフリカの音楽編第3回

3回目のテーマは「言葉と歌」。その中で圧倒的に面白かったのは「言葉と音の境界」という話でした。 説話の中で物語を語り出すと突然それが歌に変わる。しかも聴いている子供たちも一緒にコーラスに加わるというスリリングな展開。この境界線は全く判別不能…

スコラ 坂本龍一 音楽の学校 アフリカの音楽編第2回

歯が痛くて悶絶していたので、やっと今観ました。アフリカの音楽第2回。今回はやっぱり楽器の話が凄かったですね。大地や水を楽器に見立てるなんてのは普通ではあり得なくて驚いてしまいます。確かに遊びの延長が音楽と考えればそれは見覚えのある所作で、決…

スコラ 坂本龍一 音楽の学校 アフリカの音楽編第1回

今回からは「アフリカの音楽」。どんな感じで行くんだろう、と思いながら観ていました。 まず定義をサハラ以南としたところが明確。その後、同じリズムパターンが各地で見られる話や、ワークショップで基本を「森の音」に見出すアプローチ等が印象に残りまし…

スコラ 坂本龍一 音楽の学校 映画音楽編第5回

映画音楽編の最後は自らの音楽の解説でした。駆け足で紹介していたので若干物足りない点もありましたが、ある程度意図は読み取ることが出来ました。 戦メリではエキゾチックなものを目指したんですね。だとするならそれは細野晴臣がトロピカル三部作から初期…

スコラ 坂本龍一 音楽の学校 映画音楽編第4回

今回は大分現代の方に話が向いて『イージー・ライダー』やゴダールの話が出てきます。ゴダールの『パッション』という映画は未見ですが、音の工夫の話も非常に興味深いですね。 元々映像と文字の関係であるとか、とても刺激的な映画を作る方ですが、台詞と映…

スコラ 坂本龍一 音楽の学校 映画音楽編第3回

映画音楽の3回目。今回は「ライト・モチーフ」という手法が紹介されました。 要するに登場人物へのテーマ音楽ですが、本編でも触れられていたようにスター・ウォーズのダースベイダーに象徴的に使われるテーマ音楽のような手法です。これが元はオペラから来…

スコラ 坂本龍一 音楽の学校 映画音楽編第2回

映画音楽の2回目。今回は「同期」と「予兆」の話が印象的でした。 初期の映画音楽ではカートゥーンのように過剰に映像に音楽を同期させている。傘が開く度に弦楽器が入ったりして。ゴドリー&クリーム監督のPVやコーネリアスのPVで音楽のリズムに同期させた…

スコラ 坂本龍一 音楽の学校 映画音楽編第1回

スコラの第3シーズンがスタートしました。最初は映画音楽編です。 映画音楽は個人的に余り好きではありません。何故かというと音楽が主役ではないから。従って戦メリも持ってないし、映画音楽として音楽を楽しむのは余り自分には向いていないんですが、音楽…

Ryuichi Sakamoto Selections 『schola TV』

スコラTVシリーズの演奏シーンのみをピックアップした映像集がリリースされました。TV放送は観ていましたが、こうして演奏シーンのみを編集して作品化するのは記録映像として親切ですね。TVシリーズは第3弾も決まっているようですので、何を選ぶか楽しみな…

スコラ 坂本龍一 音楽の学校 ロックへの道編第4回

今回で最終回。色々なものがこの年末で終わっていく。 冒頭は日本のロックの変遷を追っていくのかと思ったが、やはり想像通り『ビハインド・ザ・マスク』の解説に終始した。しかしこれはロック畑から出てきていない坂本龍一のロックに対する「客観性」が前面…

スコラ 坂本龍一 音楽の学校 ロックへの道編第3回

今回はビートルズからその後のイギリスのバンド群へ。やっと自分の知っている時代に入ってきた。 まず驚いたのがピーター・バラカンの解説による1959年のロックンロールスターの相次ぐ降壇。理由は様々だが、ここで一旦ロックンロールが表舞台から消えるとい…