Todd Rundgren

トッド・ラングレン『Box O' Todd』

トッド・ラングレンの71年から73年にかけてのスタジオライブを3枚組にしたボックスセットが出ていたのは随分前から知っていましたが、この年末にやっと手にとることができました。これ、一体どういう代物なのか、発売当初は分からずにいましたが、聴いてみる…

トッド・ラングレン『A Cappella』

トッド・ラングレンの85年リリース作品は自らの声のみで構成されたアカペラ作品でした。当時は既にサンプリングの技術は世に出てきていましたが、それをテクノではなくこうした形で表現してきた点は新しさという点よりもならではというアプローチ。あくまで…

ユートピア『POV』

85年リリースのユートピア最終作。80年代の前半はトッド・ラングレン不遇の時代ですが、それを象徴するような作品です。楽曲的には冒頭の「Play This Game」やその後何度もライブで演奏されることになる「Mated」等を収録していて決して見逃すことはできない…

ユートピア『Oblivion』

ユートピアの83年リリース作品。ここでは何といっても「Maybe I Could Change」でしょう。この曲の良さに気付くまで随分と時間がかかってしまいましたが、その理由はこのアルバム自体が埋もれてしまうからです。 音は比較的派手なんですが、楽曲がどうしても…

トッド・ラングレン『The Ever Popular Tortured Artist Efect』

ベアズヴィル最後の82年リリース作品。LPではA面にあたる前半4曲が最高です。非常にポップかつ繊細な音で、電子音のみならずアコースティックギターの響きがとても心地良い。かつメロディもよく練られていて、リフがとても印象的です。元祖宅録のアーティス…

ユートピア『Swing to The Right』

82年の作品。ユートピアはここから急速に失速していきます。これ以降の作品は楽曲単位で光るものはあるものの、バンドの個性としては突出したものは消えていってしまい、レコード会社が変わってからはプロモーションも左程行われなくなってバンド自体が自然…

トッド・ラングレン『Healing』

81年リリース。ここで展開されるトッド・ラングレンの内省モードは聴いた当初は印象を薄めるものでしたが実は結構聴くアルバムです。 何といっても冒頭の「Healer」。この爽やかで複雑な曲は密かに躍動感もあってとても魅力的です。基本的に再度単独で作り上…

ユートピア『Deface The Music』

ユートピアで一番有名なのはこのアルバムかもしれません。全編ビートルズのパロディ。『Faithful』でも「Rain」や「Strawberry Fields Forever」を完コピしていたトッド・ラングレンですが、ここではビートルズのエッセンスを吸収してオリジナルの楽曲に仕立…

ユートピア『Adventures in Utopia』

民主主義に舵を切ったユートピアの80年リリース作。ここでは全体的にノッペリし始めてきていますが、シングルヒットが出たことで一番売れたアルバムと言われています。 冒頭3曲が聴きもので、勢い良く始まる「The Road to Utopia」「You Make Me Crazy」は何…

トッド・ラングレン『Back to The Bars』

78年にリリースされた2枚組のライブ盤。ここでトッド・ラングレンは一度自らの活動を総決算しているフシがあります。 ホール&オーツやスペンサー・デイヴィス等のゲストを招いて行われたイベント性もさることながら、本作に収められた楽曲群のベスト盤的選…

トッド・ラングレン『Hermit of Mink Hollow』

トッド・ラングレンが第2のピークを極めた78年作品。名曲が沢山詰まったアルバムです。 いわずと知れた「Can We Still Be Friends」や「Too Far Gone」、必殺の「Determination」と続くA面のThe Easy Sideも最高ですが、バラード主体のB面The DifficultSide…

ユートピア『Oops! Wrong Planet』

ユートピアがポップスバンドになり始めた77年の作品。この年はユートピアとして2枚のアルバムをリリースしています。このアルバムはよく聴きました。 メンバーも4人で定着して、各自の楽曲をバランスよく収めた作品でもありますが、何より楽曲がいい。冒頭の…

ユートピア『Ra』

ユートピアが現行の4人体制になって初めてのアルバムで、プログレ期は大体ここまで。ここでの演奏はとてもタイトで楽曲の粒立ちも丁度良い具合です。 2曲目の「Magic Dragon Theater」は鈴木さえ子がお気に入りで挙げていた楽曲で、そのコーラスワークの複雑…

トッド・ラングレン『Faithful』

カバーアルバムというのは世に数多あれど、完コピで通すというのは余り例がないのではないでしょうか。LPでのA面すべてをビートルズやビーチ・ボーイズ、ヤードバーズ、ジミヘン、ボブ・ディランといった楽曲のカバーで埋め尽くした不思議なアルバムですが、…

ユートピア『Another Live』

75年という年はトッド・ラングレン関連で3枚ものアルバムがリリースされた年なんですが、こうした多作なところもトッドのひとつの魅力となっています。ユートピアの作品の中でもこの作品は比較的好きなんですが、要因は初期のプログレ趣味と後のポップス路線…

トッド・ラングレン『Initiation』

75年リリースの本作でもトッド・ラングレンのプログレ趣味は止まりません。LPのB面はインストの組曲という独特の編成で、発売当時LPの収録時間ギリギリの約35分という大作。並行して活動していたユートピアの作品と共にこの傾向はしばらく続いていきます。 …

トッド・ラングレンズ・ユートピア『Todd Rundgren's Utopia』

この時期のトッド・ラングレンはプログレ趣味に走り始めていました。同じ74年に出されたソロ『Todd』の方でもその兆しは見え始めていましたが、翌年の『Initiation』でも趣味は爆発している。そうした自分の趣味嗜好を実現するためにユートピアというバンド…

トッド・ラングレン『Todd』

トッド・ラングレンの混沌を味わうには前作の『A Wizard, A True Star』が一番だとは思いますが、それがバランスよく爆発しているのは本作の方が一枚上です。自信に満ちた活動絶頂期の振れ幅の大きい2枚組大作が74年リリースのこの作品です。 とにかくいい曲…

トッド・ラングレン『Something / Anything』

トッド・ラングレンの72年リリースの3rdは2枚組の傑作となりました。リードトラックの「I Saw The Light」はトッドの代表曲として余りにも有名。しかしその質感は意外と稚拙なものだったりします。 LPのA面からC面まではトッド独りの多重録音。ここでのトッ…

トッド・ラングレン『The Ballad of Todd Rundgren』

トッド・ラングレンのこの2ndは本当によく聴きました。次作の『Something / Anything』が名作とされていて実際そうなんですが、その1作前の本作こそピュアなトッドの魂が素直なままギュッと詰まっていて、各々の曲にさりげない魅力が一杯です。 白眉はやはり…

トッド・ラングレン『Runt』

トッド・ラングレンをまともに聴き出したのはご他聞にもれず88年のCD再発からですが、この1stはとても印象深くてその後もずっと聴き続けています。ナッズ解散後、ひとりでエンジニアの勉強をしてベアズヴィルに雇われて制作した作品で70年のリリース。やはり…

トッド・ラングレン&ユートピア『Live at The Old Waldorf』

78年のこのライブ盤は2枚組としてリリースされた『バック・トゥ・ザ・バーズ』と双璧をなすもので、ツアーの好評を受けて行われたユートピアのライブを収録したものです。今回改めて『バック・トゥ・ザ・バーズ』を聴き直してみましたが、非常に演奏に勢いが…

トッド・ラングレン『Global (Deluxe Edition)』

トッドの新譜は必ずデラックス・エディションを購入しましょう。DVDとの2枚組ですが、2時間近くもある豪華な内容です。Webcastで配信されている映像をパッケージ化したもののようですね。 本編の新作は正直言って凡庸なEDMの域を出ません。日本盤にはYMOの「…

トッド・ラングレン『At The BBC 1972-1982』DVD

最後は映像集です。75年の映像は先日聴いた「Real Man」と「The Seven Rays」の映像版。動いているジョン・シーグラーを初めて観ました。コーラス2名を除けばほんとに4人であれだけの音を奏でているというのは驚きです。映像も綺麗で満喫しました。もっとボ…

トッド・ラングレン『At The BBC 1972-1982』disc 3

3枚目は『RA』発表後のライブです。77年ですが、曲目には「Love of The Common Man」や発表前の「Windows」なんかも入っていて、非常に楽しい。というよりタイトですね、演奏が。 『RA』の大袈裟な世界観は独特のもので、それはそれでこの時期のトッドの趣味…

トッド・ラングレン『At The BBC 1972-1982』disc 2

2枚目は既出音源です。昨年聴いた『Live At Hammersmith Odeon 75』と同じ。唯一違うのは「Something's Coming」が収録されていることです。従ってほとんど同じといっていいでしょう。 『Live At Hammersmith Odeon 75』も音は良かったので、その意味でも重…

トッド・ラングレン『At The BBC 1972-1982』disc 1

トッド・ラングレンのアーカイヴ・シリーズからBBCに残した音源をBOX化した作品が出ました。国内仕様盤を注文していたんですが、度重なる発売延期でなかなか手元に届かないので、もしや国内盤の発売そのものが中止になったのでは?と思っていたところ、あっ…

トッド・ラングレンズ・ユートピア『Live at Hammersmith Odeon 75』

先週聴いたユートピアのライブ盤を調べていたら2年前に発売されていたのを知った75年のライブ。こちらはトッド・ラングレンズ・ユートピア名義ですので、まだユートピアがプログレ期の頃のライブとなります。丁度『Another Live』と同じ頃ですね。 まずこち…

トッド・ラングレン・アンド・ユートピア『Live At The Electric Ballroom Milwaukee』disc 2

2枚目は1曲を除いてすべてトッドのソロからの曲。ラストは『Hello It's Me』と『Just One Victory』でまとめるという流れです。ユートピアのライブでは『Love Is The Answer』あたりが来ても良さそうなんですが、そこは過渡期、まだ若干ソロ色が強い。だから…

トッド・ラングレン・アンド・ユートピア『Live At The Electric Ballroom Milwaukee』disc 1

トッドのアーカイヴ・シリーズはものによっては音の悪いものも多いんですが、先日リリースされた本作はラジオで当時オンエアされた音源をリマスターしたとの触れ込みでしたのでそこそこの音だろうと期待して購入しました。実際そこそこですが、音は多少ポコ…