ポリスの疾走感

 ポリスの紙ジャケは随分と売れ行きがいい。ディスクユニオンでも早々に売り切れてしまい、その後色んな店で探したが、シンクロニシティを筆頭に在庫はなく、唯一ららぽーと柏の葉HMVで全タイトルを残すのみだった。(先々週までの話だが。)

 結局シンクロニシティだけは買えず、残り4枚を購入したが、これも大分迷った。結果的に良かったのは疾走感、これに尽きる。

 元々XTCとも仲が良かったといわれている同時代性を有したバンドなだけに、パンクに端を発する勢いはなかなかに素晴らしい。スティングになくてポリスにあるのは当然バンドサウンドな訳だが、やはりスチュアート・コープランドのドラムがいい。楽曲全体を引き締めている感じがするのだ。

 それにしても初期から完成度の高いバンドだ。とりあえず曲がいい。ムーンライダーズのモダン・ラヴァーズの元ネタであるロクサーヌは言うに及ばず、歴代のシングル曲はどれも珠玉の出来だ。

 我々にとってポリスというバンドは10代の頃の記憶と密接に結びついており、ややもすると懐メロに堕してしまうのだが、ずっと気になっていた客観的なクオリティを今回確認することが出来た。徹底的にPOPなので、その意味では安心して聴けるし、時折挟まれるインストなども不必要に展開することなく、はねている。楽器構成もシンプルなのがいい。余計な装飾がないのである。

 3月にスチュアート・コープランド監督の映画が公開されるそうで、XTCのメンバーも登場するとのこと。当時の状況をドキュメンタリーしてくれるのだとしたら結構楽しみだ。ヒュー・パジャムも出るのかな。

 やっぱりシンクロニシティ探さなくっちゃ。