細野晴臣クラウンBOX

素晴らしいBOXだ。DVDの映像は奇跡的な復刻だと思う。皆若い。

 アナログ以来、久々に聴いたトロピカルダンディーはとても新鮮だった。いい曲多いんですね。チャタヌガチューチューのインパクトが強くて他の曲をあまり聴かずにいたのだが、ハリケーンドロシーやハニームーンも入っているではないですか。

 とにかくこの時期の林立夫の活躍ぶりは驚異的で、HOSONO HOUSEでの薔薇と野獣やナイアガラでの叩きっぷりは抜群の魅力を持つ。絶対に真似できない感じがしてしまう。難しいんだこれが。

 細野のベースと共に最強のリズム隊として栄光を極めたこの時期の録音は、いくら聴いても飽きないものだ。

 でもやっぱり泰安洋行である。歴史的名盤だと思うが、この時期の細野は恐らく躁状態が続いていたのだろう。ライブで伏目がちなのは自分の中での躁状態を外に発露しない客観性を持ち合わせていることを示しており、バランスのとれた人だなあと感心する。

 フィルハーモニーLDK鈴木茂のBAND WAGONの細野バージョンとして作られてお蔵入りした後のリメイクバージョンだったというのは感動的事実だ。やはりグルーヴの生まれる時期というのは集約されるんですね。素晴らしいと思います。

 ここでも中根康旨の名前が出てくるが、よい仕事をしている人だ。同姓として誇りに思う。