カーネーション 「The Sounds of ROCK LOVE」

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カーネーションを聴かせて「これはロックじゃない」と言われたことがある。その人はバンドマンでいわゆるハードロック系の人だったが、まず声を聞いてそう言った。演歌と見紛うばかりのシャウトがロックのボーカルなんだとしたら、カーネーションはポップスになるのだろうか。

3人編成になってからのカーネーションは絶好調だが、今回は11人編成のビッグバンド形式でのライブ盤。11月に公開されるドキュメンタリー映画のサントラなんだそうだ。基本的に「天国と地獄」の頃からブラスの導入でこうしたサウンドは出てはいたが、今回新旧の曲が混ざったこのライブを聴いてみて、当たり前だが一続きであることを感じた。スリーピース以前と以後では分断された感があったのだが、本質は左程変化していないことが確認できる。直枝自身も気に入っているという「未確認の愛情」の再現が実は出発点では?演奏が一番こなれているのはやはり歴史の古い「夜の煙突」(森高千里への提供曲)。

矢部浩志のソロユニットが先日リリースされたが、正直余り入り込めなかった。やはりバンドとしてのバランスの中で二人のソングライターが同居するのが良い。XTCと同じだ。コリン・ムールディング早く帰ってこないかなあ。この編成でのスタジオ録音「夏の夜の夢」も矢部の曲だが、この軽やかさが大事。これからの展開が非常に期待できる。映画も見なくては!直枝の本も買わなくては!