ピーター・ガブリエル3

f:id:tyunne:20181007100121j:plain

ティーブ・リリィホワイトとヒュー・パジャムのゲート・エコーという画期的ドラムサウンドで世界中にその名を轟かせた歴史的作品として語られるサード。1980年発表。

ティーブ・リリィホワイトの音に触れたのはU2の「War」の方が先だったが、その後XTCにはまってから「ブラック・シー」の裏方に当時一世を風靡したプロデューサーがいるという話を知り、このサードに辿り着いた。この作品ではシンバル類を一切使わないという荒技も打ち出されており、かなり肉感的なサウンドなのだが、まずは1曲目のイントロで皆やられてしまうという印象的なオープニングでイメージが決定づけられている感じがする。

ポール・ウェラーケイト・ブッシュ、果てはデイヴ・グレゴリーまで参加しているということで非常に豪華な面子での録音だったことを今回改めて知った。こういう作品は時代の産物として内容にあまり入っていけない傾向が強いが、本作もご多分に漏れず「ゲート・エコーの作品」、顔が半分溶けているおっかないジャケットという印象しか残っていなかった。でもラスト曲は「Biko」だ。

ゲートエコーは今聴くと80年代の幕開け的な感じだが、後のパワーステーション的な嘘臭さまではいっておらずストイックな印象だ。U2にしろXTCにしろ楽曲がまずはいいので、その増幅作用としてドラムサウンドが際立つというものだったが、本作は元々が暗いので話題性の方が勝ってしまったのではないだろうか。