マイルス・デイヴィス「ラウンド・アバウト・ミッドナイト」

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マイルス・デイヴィスを聴いたのは確か高校時代の友人宅が初めてだったように思う。「この頃のマイルスはいいよねー」と紹介してくれたのは恐らく50年代の音だったように思うが正確には覚えていない。僅かな記憶を頼りに最初に手にしたのは「カインド・オブ・ブルー」。その後「クッキン」「ワーキン」と続いてしばらく放っておいた。

「ビッチェズ・ブリュー」でエレクトリックマイルスに辿り着くのはしばらく後だ。この時期の強力なグルーヴはジャズというよりロックに近く、近辺の作品を徘徊した。「スパニッシュ・キー」が最高だと思う。最近友人に借りた菊池成孔によるNHKのマイルス紹介番組でバップやモードについての分かりやすい解説と共に象徴的に紹介されていたアルバムがこの「ラウンド・アバウト・ミッドナイト」で、ミュートによる囁くような音がジャケットで耳を覆う写真でも表現されている。

リマスター後の音源なので、まず一聴して音が良い。内容は確実に良く、全編ノックアウト状態。メンバーには若き日のコルトレーンも入っている。55年の録音。金ができたら買おっと!