ヴァン・ダイク・パークス「東京ローズ」

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今月末に一連の作品が再発されるが、財政的にかなりきついので本作を事前確認とあいなった。89年作だからもしかしたら細野晴臣をゲストに迎えた来日公演の後に出たものか?当時友人と見に行った記憶がある。

一聴してストリングスとホーンの使い方が美しい。細野のエキゾチズムを地でいっているような趣がある。トリビュート盤でも複雑で綺麗な音楽を奏でていたが、本作でもその不思議な魅力は発揮されていてなかなか見逃せない。これは迷うなあ。余裕があれば即購入なんだが・・・。

何故ここで東京ローズで日本がテーマなのか。当時のミュージックマガジンをひっくり返してみるとテーマは日米関係。ジャケットは捕鯨を表しているようだ。当時は日米貿易摩擦が深刻な時期だったそうで、ヴァン・ダイク・パークスはその時期にその源流を辿ろうとしていたらしい。何とも硬質だが、当たりは柔らかくそうした深刻さは感じさせない。表現者としてクオリティが高いよなあ。サンディーの「マーシー」が出てくるのがこの翌年だから、日本やアジアの立ち位置を考える先駆けとなったのかもしれない。