2001年1月にNHKで放送された番組のDVD化。伝説の番組とのことだが、単純にゲストが多彩で楽しく、あがた森魚なんかも出ているので雰囲気としてはムーンライダーズの30周年と似たところがある。最近の一連のトリビュートや振り返り、そして新作発表という絶妙のタイミングでのリリース。また、年末年始ということでお正月をイメージさせるのも良い。
最大の見物はYMOのドテラでの演奏とのことだったが、高橋幸宏のハイハットワークはなかなか見物。3人の会話はまだどこかぎこちなくて良い。これがラガーCMの原型になったのではないだろうか。それから見逃せないのが小坂忠の「ほうろう」で、バックの演奏と合わせて見事なグルーヴを再現している。番組後半のスティールギターは駒沢裕城だろうがこれが渋い。最近の高田蓮、高野寛によるバッキングでのHASYMOへの連続性を彷彿とさせる雰囲気は、その後の細野晴臣の活動を予言している。
日本のロックマニアである佐野史郎は本当に嬉しそうで、見ている方も幸せになってくる。放映は2001年なのでTIN PAN再結成の時期。ということでライヴも入っていていささか宣伝っぽいが、作りはNHKらしく上品でそれより前にどこかで放送された細野晴臣特集番組(確かほとんど口パクだった)よりは、演奏パートが多い分だけクオリティが高い。
それにしても振り返りモードだなあ。来年はYMO結成30周年なので、何かまたアニバーサリーがあることを期待しつつ、しばらくは色々と振り返ってみることにしよう。こういうのを見てると感覚が中学生の頃に戻っちゃいますね。