孤高の世界。ローラ・ニーロのサードはほぼピアノ弾き語りの神の声のような雰囲気のアルバムだ。たまにブラスやドラムが入って花を添えるが、あくまで添え物でどこかぎこちないプロダクションのように聴こえる。基本は弾き語りで完成してしまっているんだろう。ちょっと冷たすぎるきらいもあり、凡人を寄せ付けない雰囲気がある。
前作の躍動感を期待するとしっぺ返しをくらう。そのくらい透明で完成されている。マイルス・デイヴィスが参加を断ったのも頷けるというものだ。(手を加えるところはない、という意味だそうだが。)それに比べてボーナストラックの2曲は前作の雰囲気を残していてほっとする。いいなあ、こっちの方が。「セイヴ・ザ・カントリー」もシングルバージョンの方が曲の良さを引き出しているように思うんだけど・・・。