フランク・ザッパ『シーク・ヤブーティ』

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1979年発表のライヴ盤。こちらはアナログでしか持ってなかったが、今回初めてCDで買い直した。2枚組だったんだけどCDでは1枚なのね。

とにかく7曲目の『ラット・トメイゴ』に尽きる。何度聴いたことか。メンバーの会話に続いて唐突に始まる強烈なギターソロ。これが『拷問は果てしなく』のソロ部分だったということは今回初めて知ったが、言われてみればそうだ。でもこれは単純に1曲として自分の中では完結していて、全編鳥肌モノだ。

この作品は比較的聴きやすい曲が多くて、その後の80年代以降に散々演奏される曲が詰まっている。メンバーもテリー・ボジオに加えてエイドリアン・ブリューなんかもいて、まさに強者勢揃いの様相を呈している。サカタケさんの好きな『アイ・ハヴ・ビーン・イン・ユー』なんかも入っているが、自分としてはこの辺りからの「歌もの」にはあまり興味が抱けず、その後の作品の購入ペースは落ちた。

一方でギターソロは絶好調で、その後ソロ部分のみ集めた3枚組なんてものも存在する。そのあたりの要素が爆発しているのが先の『ラット・トメイゴ』で、他にも何曲か激しく愁いを帯びたソロが登場する。

全般的には成熟一歩手前の完成度と豪華メンツによる多彩なステージということで、これ以降の作品の傾向を決定づける重要な作品。メンバーもこの後入れ替わっていってしまうので、一瞬の金字塔でもある。やっぱりキーボードの音色があんまり好きになれないんだなあ。