レイン・トゥリー・クロウ『レイン・トゥリー・クロウ』

f:id:tyunne:20181008102726j:plain


JAPANの実質的な再結成盤で91年作。当時は福島県でひとり寂しい生活を送っていた。

今回一番迷ったのがこれだが、聴いてみてびっくり!聴こえなかった音が随分聴こえた。リマスターの威力は凄いなあ。

まさか再結成するとは思わなかったが、その前に出たミック・カーンのソロにデヴィッド・シルヴィアンがボーカルで参加していたので予兆はあった。『Buoy』という曲、これ名曲なんですよ。12インチシングルは印象的な絵画のジャケットで部屋に飾っていたなあ。これとヴェルヴェット・アンダーグラウンドのバナナのジャケット(アンディ・ウォーホルのデザイン。ユニクロのTシャツにもなった。)、それからXTC変名バンドのデュークス・オブ・ストラタスフィアの『25 O' clock』ですね、定番は。

ベストトラックは何故か『Cries and Whispers』だったりする。シングル曲の『Blackwater』はPVも美しかったが、『Silver Moon』同様全体の中ではポップで救われる曲。冒頭の『Big Wheels in Shanty Town』は再結成にふさわしいかっこよさ。

確かにデヴィッド・シルヴィアンの別プロジェクトという色合いも強く、あえてJAPANの名を使わなかったところも分かるような気がする。要するに懐古趣味ではなく現在進行形ということだろう。福島県いわき市の空の下で、90年代と社会人のスタートを想っていた当時が懐かしいが、このアルバムは時代性とはリンクしていないので古びない。