うん、これはいいね！
高橋幸宏の新バンドのアルバムは基本的にエレクトロニカでありながら鋭くて柔らかい。ソングライターが多いのもバリエーションがあって飽きさせないし、音の質感もきつ過ぎず、かつかっこいい。
オープニングのインストからして、かつての高橋幸宏のソロみたいだが、その後の『At Dawn』に入る感じなんかはリズムも含めて間髪を入れない展開だ。続く『Creaks』はややもすると高橋の甘いメロディーがもたれてしまうところを原田知世のエレクトリック・バグパイプの響きが引き締めているので一線を越えない。
PVも出ている『Anywhere』はヘッドフォンで聴くと俗っぽくなかった。いいですね。
高橋のソロ『Blue Moon Blue』やスケッチ・ショウにあったある種の「きつさ」はここにはない。恐らくその辺は細野晴臣の嗜好なんだろう。またpupaのメンバーの良さが出ているところでもある。
高野寛の曲はボーカルの個性もあってひときわ浮いてしまいがちだが、やはりこれも音の質感で統一感をギリギリ保っているように思う。高田蓮の『Glass』なんかは予想以上にセンスが良くてかっこいい。
繰り返しになるが「鋭くて柔らかい」のが第一印象。これ、結構難しい個性ですよ。よくやった！pupa！
