Dennis Wilson『Pacific Ocean Blue』

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ニック・ロウと一緒に買ってしまいました。タイトルはオッパッピーみたいだが、サーファーを地でいっているビーチ・ボーイズ、ウィルソン兄弟次男の唯一のソロ、77年作。この6年後に39歳で溺死してしまう。

今回の再発は未発表アルバムの『Bambu』セッションからの大量の未発表曲との2枚組。単価も高いのでマニア向けだが、名盤の誉れ高いこのアルバムがどういうものか、気になってはや20年が経つ。

インナーには写真もふんだんにあって、兄ブライアン・ウィルソンとの2ショットは見ていて切なくなる。奥様とおぼしき女性の写真もそこかしこにあったりして。綺麗だなあ、この人。この後離婚しちゃうみたいですけど。とにかく破壊的な人生を送った人で、最後はドラッグ中毒で入水自殺の噂もあったようだ。本当にビーチ・ボーイズ関連は悲しいエピソードが多い。

本編の方は言われる程凄いかなあ、と思って聴いていたら後半でグッときた。デニス・ウィルソンには以前見たビーチ・ボーイズのドキュメンタリー映像の影響でロック系のイメージがあったが、基本的にこのアルバムはバラード主体なんですね。『Time』『You And I』あたりは一緒に海の底にひきずりこまれそうだ。(怖い訳じゃなくて美しいという意味で。)一瞬細野晴臣の最近の諸作を彷彿とさせるような瞬間もある。

『Bambu』セッションもお蔵入りするにはもったいないクオリティをもっていて、未完成の曲も含みながらもきっちり美しい。