矢野顕子『JAPANESE GIRL』

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30年時を遡って76年リリースの矢野顕子ファースト。中古で見つけてperfumeと同時に購入した。恥ずかしながら初聴。

前半はAMERICAN SIDEと銘打って鈴木茂に次ぐリトル・フィートとの共演。デビューからしてやることが伝説的だが、まったく引けをとらずにむしろ矢野顕子のピアノの存在感の方が目立っている。ロウエル・ジョージが期待に応えられずにギャラを返すと言ったのも頷ける話だ。

先週放送されたRISING SUN でも『ひとつだけ』がやっていて、思わず涙腺が緩みそうになってしまったが、もう既にファーストで世界観が完成しており、その後一貫しているという凄さ。絶対音感の天才少女が作り上げた唯一無二の音楽にはリトル・フィートもひれ伏したということか。

後半はキャラメル・ママムーンライダーズ陣営によるJAPANESE SIDE。鬼気迫る前半とは打って変わって和んでいる。和楽器が意図的に配置されているが必要性にはちと疑問。まるで洋楽のアーティストが和楽器を導入したかのようで、先日レビューしたローラ・ニーロみたいだ。矢野顕子の声は民謡歌手というよりクラシック歌手のようで、ストリングスとの相性の方が良く聴こえる。

歌い継がれている曲も多いが、ライブでの再演は大抵換骨奪胎されているので既聴感はない。