ハイラマズ『Hawaii』

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仕事納めだったので自分にご褒美を、ということでリニューアルされたディスク・ユニオンのお茶の水店に行ってみた。店の規模が大きくてびっくり。品揃えも半端ではない。新宿の中古センターリニューアルも嬉しかったが、お茶の水もやはり侮れない。これは通勤途中にいい遊び場をもらった。

但し、金欠は続いているので厳選に厳選を重ねた3枚を選択。条件は安くてかつ買い逃していたもの。3枚で10%引きだったので、非常に時間がかかった。そこで真っ先に手にしたのがこの1枚。96年作のハイラマズ2ndだ。

ボーナスディスク付きの2枚組だが、本編の1枚目だけで29曲も入っていて、76分もある。こりゃあ大作だ。しかも全部曲が繋がっているとあっては聴く方も大変だ。ハイラマズの音楽は基本的に快適なんだが、ここまで来ると修行に近い。

どこを切ってもビーチ・ボーイズ風でクオリティが一貫している。1stの『ギデオン・ゲイン』は『Checking In, Checking Out』に惹かれて購入した。確かラジオで小山田圭吾がハイラマズの前身のマイクロ・ディズニーと一緒にこの曲を紹介していて、一発で琴線に触れた訳だが、2ndはハイラマズとしての世界観を確立した作品なんだな。直近の諸作に感じられるオーガニックな作風はここで既に完成している。ここから変わってないのが凄い。

近作の『Can Cladders』が非常に良い出来だったので、iPODで繰り返し聴いているが、ここ最近の作風は『Snowbug』の頃のポスト・ロック路線から原点回帰してこの『Hawaii』の頃に戻ってきているんだな。ハイラマズを最初に聴いたときはあまりにも音が『Smile』期のブライアン・ウィルソンだったんで左程のめりこめずにいたが、近作の熟成度合いはフェイクではない深度があり気に入っていた。その初期完成形がこのアルバムなんだろう。次作の『コールド・アンド・バウンシー』も良さそうなんで、探してみよう。

それにしてもボーナスディスクも38分もあって、全部で100分超えじゃないか!