ジェリーフィッシュ『New Mistake』

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最後はジェリーフィッシュの日本編集盤。これが一番迷った。ジェリーフィッシュは僅か2枚のアルバムを残して解散してしまったグループだが、その割には後々も妙に支持を集めているバンド。奥田民生が『悩んで学んで』でアンディ・スターマーと共作したりしているし、ロジャー・マニングはその後もソロで非常にいいアルバムを発表している。正当派ポップなんだな。

このアルバムは93年に出た来日記念盤で、『New Mistake』以外はデモトラックとホームデモの未発表曲。この辺が既にXTCっぽいアプローチな訳だが、このデモのクオリティの高さもXTC譲りだ。

自らもステージでカバーしているが、バッドフィンガーみたいなプラスティックな雰囲気がその手の王道を走っている。多少のしつこさが残るが、もっと活動して欲しかったバンドだった。最近のロジャー・マニングの充実度を見るにつけ、つくづくそう思う。単なるフェイクを超えたオリジナリティを獲得できたのになあ。オリジナルの2枚のアルバムは勿論いい訳だが、もっと高みにいけただろう、と考えてしまう。

ということで、本盤は単なる編集盤ではあるが、およそデモには聴こえない曲群に感心させられる好盤だ。