高橋ユキヒロ『サラヴァ』

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高橋幸宏の1st。何度か見かけて迷っていたが、今回は手を伸ばしてみた。確か最初に聴いたのは中学生の頃だったと思うが、その頃は耳が幼かったので魅力が伝わらなかった。ということで、当時は貸しレコード屋で借りておしまい。

今聴くと、まるで冨田恵一のようだ。ニック・デカロのようでもある。まっとうな音づくりがされていて、時代を超えている。次作の『音楽殺人』の方が当時としては刺激的だったが、今は当時を反映し過ぎているためか、若干古くさい感じがしてしまう。

『SUNSET』は当時から耳に残っていたが、『MOOD INDIGO』なんかは『千のナイフ』や『はらいそ』のようなエキゾチズムが窺えて興味深い。YMO前夜の雰囲気が出ている。『LA ROSA』での細野晴臣のベースもうねっていて良い。

『VOLARE』で始まってしまうので、今だと何とか係長の芸風を彷彿とさせてしまうが、全体的には大貫妙子のようでもある。坂本龍一との共同作業によるきっちりとしたプロダクションで、キャラメル・ママ直系のタイトな演奏を飾り付けた渋いファーストアルバムだ。