『スピーキング・イン・タングス』

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83年リリースの5作目。ここからがリアルタイムのトーキング・ヘッズだ。何故かというと、『バーニング・ダウン・ザ・ハウス』がチャートインしていたからだ。確か当時、ビルボードでトップ10入りしていたはずだ。

変なグループだなあとは思ったが、そこまでにブライアン・イーノとの邂逅は終わっていた訳で、かつここから『ストップ・メイキング・センス』の公開に至り、次作『リトル・クリーチャーズ』から成熟の道を辿っていく。日本のバンド、リトル・クリーチャーズの名前の由来はここにあるんだろうし、その後『トゥルー・ストーリーズ』には『レディオヘッド』という曲もあり、これがRadioheadのバンド名の元になっているという事実!

という訳で、前作の魔力が弱まりセルフ・プロデュースで臨んだ本作はいささか落ち着いた印象だ。『ガールフレンド・イズ・ベター』なんかはライブの方が圧倒的にダイナミックでいい。ラストの『ジス・マスト・ビー・ザ・プレイス』なんかはデヴィッド・バーンの家でホーム・パーティーかなんかをやっていて、最後にお母さんがお菓子だか何かをステップ踏みながら持ってくるという、ほのぼのとしたPV。

『プル・アップ・ザ・ルーツ』なんかは後期のP-FUNKを聴いてるかのようだ。まあバーニー・ウォーレルと一緒にやったりしてるんだから当たり前か。落ち着いたファンクという感じがする。

ここまでのヒリヒリした演奏が少し弱まってくるので先鋭度は落ちるかもしれないが、私としてはここからがトーキング・ヘッズの始まりのように思える。逆に初期の雰囲気にも戻ったようなバンド・サウンドが復活してくる訳で、そこに狂気が内包されているのが見所。

ジャケットは限定の特殊ジャケットで、かなり凝っているものを今回CDサイズで再現している。アートワークに凝るところが映像に凝るところにも共通していたんだなあ。こういう映像的なバンドに当時のMTV文化はピタリとはまった訳だな。またこういうバンドが出てこないかなあ。