坂本龍一『NEO GEO』

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87年リリースの『NEO GEO』が再発になった。実は当時『未来派野郎』の『バレエ・メカニーク』の甘さに幻滅してしまった後だったので、安易なワールド・ミュージック志向についていけず、このアルバムはスルーしていた。

ところが、ベスト盤で聴いた『NEO GEO』のグルーヴには惹かれるものがあった。「ああ、これはブーツィー・コリンズのベースだ」と気付いてからはこのアルバムが引っかかるようになっていた。そこでタイミングの良いリマスター再発。SHM-CDソニーだからBlu-spec CDか?)での再発ではないのが少しもったいないが、音は十分にいい。

『BEFORE LONG』『NEO GEO』『RISKY』『AFTER ALL』といった曲はどれもいいが、やはりビル・ラズウェルと緊張感のある共同プロデュースをしていることもあって、音がヒリヒリしている。スライ・ダンバーのドラムもいいし、イギー・ポップの歌もいい。『RISKY』については、初回盤のDVDにPVも収録されている。

 

ポッパーズMTVで紹介されていて、録画して見たなあ。ああ、懐かしい。出てくるロボットはウォーリーみたいだ。

沖縄を取り入れた曲も、当時は少しベタ過ぎて恥ずかしい感じがしたし、「昔、細野晴臣がやっていたじゃない」という思いがあったりしたが、今聴くとファンキーな音とのハイブリッド感がなかなかに心地よい。変に先端を行かずに時空を超えるクオリティを出しているのが、全体から伝わってくる。甘さがないのもいい。うーん、もっと早く聴いておけばよかった。強烈にかっこいい訳ではないが、落ち着きがあって聴きどころも多いアルバム。音もダイナミックでいいですね。


Ryuichi Sakamoto - Risky