坂本龍一『out of noise』

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HASYMO始動後、細野晴臣のソロがリリースされて今度は坂本龍一、来週は高橋幸宏のソロ発売、とまるで『BGM』発売後の1981年の頃みたいなリリースラッシュだ。HASYMO以降、坂本龍一の音がどんな風に変わってくるのか、非常に興味があったため、今回は手を伸ばしてみることにした。純粋に音楽を楽しみたかったので、1800円のパッケージレスCDの方を購入。

コミュニティに本人の解説付きで視聴できるアドレスが貼ってあり、事前に聴いてはいたのであまり違和感なく聴けた。
http://www.skmt09.com/album/index.html

本人も語っている通り、音楽というより「音」。北極圏でとった氷の音なんかが配置されていて、まるで環境音楽のよう。旋律がある曲はあまりないが、基本的には心地よくて、雪の降る日にぴったりの音楽だ。小山田圭吾の音も随所に配置されているが、『point』以降の隙間のある「音自体」の構築法で静かに音楽を作り込んでいく手法と共通するものがある。あちらの方がずっとポップだけど。アンビエントの頃の細野晴臣にも通じるものがあるかな。『テクノドン』で『NOSTALGIA』を聴いた感覚を思い出したりもする。

とにかく猛スピードで生活して疲れ切っている今の世の中には一服の清涼剤になり得る音だ。エレクトロニカでプチプチといった音になっていないところもいい感じだ。通勤電車で聴いたら落ち着くだろうなあ。早速聴いてみよう。

コトリンゴ作の『to stanford』でピアノの音が出てきて少し救われる感じで、ラストはオムニアのCM曲で締めるサービスもあり。オムニアは結構売れているらしいが、CM効果は大きいだろうなあ。