坂本龍一『04』

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中古屋で800円とド安目だったので購入。新作を聴いて以降、通勤電車でのピアノの音が快適なので、04年と05年に出たピアノでのセルフカバーにも手が伸びてしまう。『1996』は売っちゃたんだよなあ。
アジエンスのCM曲から始まるが、高音がキンキンしていて少し耳障りだ。この傾向は全体にわたってそうだが、録音が悪いのかもしれない。『koko』や『out of noise』でのピアノ曲とは旋律が違うのかもしれないが、そうでもなさそう。
ゼロ年代坂本龍一は振り返ってみるとピアノ回帰、音回帰の10年となるのかもしれない。世紀が変わって以降、ムーンライダーズが歌ったように「次の世紀には今よりも、静かな音楽が流行って欲しい」といった見通しを反映した傾向となっている。
エレクトロニカもそうだが、やみくもに音圧を出すのではない静かな佇まいが今の時代にはふさわしいように思う。癒しというよりも思索、時間が余ってくる生活の隙間に入り込んでくる音たちはあまり主張していない方が良い。