80年リリースの1st。冒頭からベンチャーズみたいな始まり方で、YMOがマーティン・デニーから始まったのと比べるとレベルが随分違う。雑食性とバタ臭さが一風堂の出発点であり到達点でもあることをよく表しているアルバムだと思う。
音は意外と洗練されている印象を受けた。一貫してイメージが変わらないのはセルフ・プロデュースが最初から出来ているからだろう。それにしても「祭りだ祭りだワッショイワッショイ」はないだろう。ある程度の恥ずかしさは内包しているとしても、多少度が過ぎている気がする。
このアルバムが一番売れたというのは信じ難い話だが、ニューウェーブの時代性を感じさせるという意味では象徴的なデビュー・アルバムかもしれない。結局土屋昌巳という人はテクノポップの人ではなくてデヴィッド・ボウイからジャーマンロック経由でジャパンと同期し、最終的にはブランキー・ジェット・シティのプロデュースに至るというロック系の人なんだな。今回印象を新たにしました。どうしても『NIGHT MIRAGE』の印象が強かったので。