プリンス『LOTUSFLOW3R』

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新作3枚組。Web上で入荷待ちになってしまったため、予約をキャンセルして店頭で購入。Web上では売り切れでも店舗在庫はある訳ですね。やっぱり現場をチェックしてないと駄目だ。

一聴して音の広がりのなさに少し驚く。プリンスの音づくりはこんなもんだったようにも思うが、今回のリリース形態を考えると配信前提の音づくりなのかもしれないと思ったりもする。あまり派手でなくてコンパクトで良いかもしれない。内容はポップな頃の力まないいい曲揃いで、安心して聴ける。それにしてもトッド・ラングレンといいプリンスといい、親父達の吹っ切れた安定感は聴く者を選ばない感じがして非常に好感が持てる。時代と戦っていた、あるいは戦うことを周囲から要望されていた頃に見受けられた緊張感から解き放たれて、純粋に好きな音楽をつくる、というスタンスは年配のアーティストの特権なのか。

今回の3枚組というボリュームは相変わらず凄いが、内容よりリリース形態で社会に挑戦するスタンスはそれだけで注目される。CDというメディアの無価値化を率先して行っているかのように見える最近のプリンスの活動はそれだけで記憶に残っていくだろう。

でもまあ、多作というのがいいね。連休に向けてゆっくり味わっていくことにしよう。