キャプテン・ビーフハート『Safe As Milk』

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キャプテン・ビーフハートの65年作1st。既にディスクユニオンでは予約分完売で何となく品薄の感がしてきたので、急いで購入した。紙ジャケリマスターを待っていたので初聴。

何だ、もう完成してるじゃないか!『トラウト・マスク・レプリカ』からだと思っていたら大間違いで、ここで既に御大だ。さすがに音は古いが、それでも基本形はできていて、ここから終始変わらず行くのが凄いところだ。ライ・クーダーが初期メンバーだったことでも知られているが、誰が入ってもこれでは隊長色に染められてしまうだろう。『I'm Glad』みたいなドゥー・ワップ調もあったりするが、基本は咆哮。ポリリズミックな魅力はどの曲でも全開で、ブルースなんか知らなくても十分楽しめる。

ボーカルのしゃくれ具合も既に完成していて、未整理ではありつつ毒を孕んだ音の数々は中毒を誘う。65年というと古いようだが、実際はもうビートルズ旋風は吹き荒れていた訳で、その頃のデビューというのは少し遅い感じもする。もっと早く世に出てもよかったんじゃないだろうか。