85年リリースの4作目。まずびっくりしたのはレコードと曲順が違う。これは知らなかった。自分の印象ではまず最初にタイトル曲がきて、「おおっ」と来るものだったが、CDではLPラストの曲から始まるという意外な展開。旧規格CDなので音圧は低いが、構成が新鮮だ。LPでは頭3曲しか聴かなかったよなあ。
昔、総武線に乗っていたら、どこぞの高校生が「立花ハジメって面白いよ。『太陽さん』とか良かったなあ」と話していた。ちゃんとピクチャーレーベルのアナログで聴いてるか?音悪いんだぞ、なんて思っていたりしたもんだが、仮に彼らがCDで聴いていたんだとしたら、印象は随分違うんじゃないだろうか。CDの曲順では刺激度が低いように思うのは自分だけか?
発売した時点で古典になるような作品を作る、と当時から言っていたが、確かにあまり何度も聴き返すような作品を作ってこなかった人のような気がする。1st、2ndと続いたサックスでの独特な作品から一転、3rdで強烈な打ち込みとリズムの強さで度肝を抜いて、その後出たこのアルバムは打ち込みの極地でリズムの過剰さが既に時代の終わりを告げていた。アルバム単位で聴くと、もう持たないような過剰さがここにはある。
当時、アルプス2号だか3号だかで、コンピューターで制御したドラムのスネアを自動で叩く機械、というか機材を映像で見た記憶があるが、あれは刺激的だった。その後コンサートで目撃したその振る舞いは、白井良明のギタギドラにも似た自作の楽器の特異さが先進さを感じさせた。それももう20年以上前ですよ。時の経つのは早いな。