ELO『Eldorado』

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74年リリースのELO4作目。久々に神保町のユニオンに足を伸ばしてみたが、やはりここは品揃えが豊富だ。フラっと寄ってみたら宝の山で、財布に余裕があればかなりの散財となりそうな予感がしたので、早々に引き上げた。ELOも沢山あったなあ。

前作『第三世界の曙』より大分ポップになってきている。自前メンバーに加えて実際のオーケストラを参加させての録音で、よりスムースな融合度合となっていて、いわゆる「売れ線」の出発点となったアルバムのようだ。確かに初期のおどろおどろしい感じはなくなりつつあり、ポップスとして完成してきている感はある。歌にも貫禄が出てきた。かといって後期のある意味軽薄な感覚もまだ顔を見せておらず、初期コンセプトとのバランスがとれている、という意味ではロイ・ウッドがお気に入りと言う理由も分かろうというもの。

ビートルズが行った様々な実験の中で、ストリングスの導入という部分を拡大解釈して普遍的なものに落とし込んだという意味でELOは忠実なビートルズ・フォロワーであり本作はギリギリのところでアーティスティックな感覚を保っているアルバムなんだろう。それでも若干音が古臭く聴こえてしまうのはその荘厳さのせいであり、最早再現されないコンセプトなんだろうな。