Ricardo Marrero & The Group『A Taste』

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ということでレア・グルーヴ第1弾はラテンもの。大分レアだったようだが、丁度再発が出ていたのでお安く購入。ジャケットが何といっても魅力的だ。内容の方は言われる程のものではないように思うが、インストのグルーヴとして快感原則が動くのはよく分かる。アナログ起こしのようで、レコードのノイズが全体に被っているのは惜しいところ。

後半がいいなあ。『Get Yourself Together』や『Babalonia』なんかはいい感じだ。全体的にフルートとキーボードがよく絡んでいてうまい和え物のようだ。突如女性ボーカルが入る『And We'll Make Love』なんかはテイ・トウワの1stを思い出した。ラウンジの源流もラテンにあるんでしょう、きっと。

76年リリースのようだが、ニューヨークを拠点にラテン風味のジャズ・ファンクをやっていたというシチュエーションはどんなものなんだろう。恐らく背景を考えることなくジャケットやレア度、快感だけで情報が流通しているのがレア・グルーヴなんだとしたら、それはクラブ文化に根ざしたひとつの潮流で、その後様々な今の音楽に反映されていく「ネタ」なんだろうと思う。分析よりも身を委ねることの方が大事なんだろうな、きっと。