3ピースで絶好調の活動を続ける青山陽一の久々のマキシシングル。大手CDショップには在庫がなく、ディスクユニオンでもひっそりと置かれていた新作はこれが快心の出来。
まったくの偶然だが、先日聴いたミーターズとの符合を感じた。オルガンとドラムがユニゾンを決めたと思ったら次の瞬間ギターとシンクロする、というようなライブで鍛えられた確かな演奏力を「間」を持たせてきっちり決めていく作り方はまるでニューオーリンズのセカンドラインようで、密かに次の絶頂期を感じさせる。
ジャケットはキャロル・キングが在籍したThe Cityというグループ唯一のアルバム『夢語り』に因んだもので、この辺りにも遊び心が垣間見える。『Freedom』での必殺メロウ路線もいいが、何といってもライブ音源の良さ!『Friday Rider』での延々ループするドラムをバックにギターとオルガンが絡む展開はオリジナルを超えつつある。
それにしてもカーネーションと青山陽一を同時にフォローする中原由貴の凄さ。先日出たカーネーションのマキシシングルも良かったが、矢部浩志の穴を埋めてかつ次世代のグルーヴを各方面で叩き出すパワーは驚異だ。伊藤隆博のオルガンは再三触れるがミーターズのようで、とてもファンキー。ここに青山陽一のギターが乗ってインプロが始まると目眩がする。こいつはフルアルバムが楽しみだ。ライブ盤出してもいいんじゃないの?最近曽我部恵一がやっているようなリリースラッシュを青山陽一に期待するのは筋違いだろうか。自主制作でもいいからライブ盤は出して欲しい、というより出すべき!そのくらい演奏がいい。
『Bugcity』以来のピークを迎えつつある青山陽一の来るべきフルアルバムが楽しみになってきた。後はプロモーションをもっと頑張らないと。冒頭に書いたような状況では人目に触れませんぞ。もったいない・・。