コズミック・ジャズ・ファンクの巨匠だそうで、マイルス・デイヴィスのバンドにもいたことがあるキーボード奏者が組んだグループでの75年リリース作品。
なるほど音がスペイシーで、とにかく綺麗だ。質感もまるでTEI TOWAの初期作品を聴いているようで、70年代中盤に出たタイトルとは思えない程現代的。砂原良徳のピアノの音にも近い感触。涼しげなシンセの音がバックに鳴るのは先日のロイ・エアーズにも言えることだが、こちらは徹底している。いわゆるラウンジものの源流を辿って行くと突き当たるような時空の超え方。殊更に宇宙を直接表現の中に入れるのではなく、雰囲気で作って行く様は見事。いいアルバムだなあ。
渋谷系の発掘ものでも取り上げられているタイトルだが、周囲の評価を差し置いてもそれこそ一服の清涼剤として身を委ねることのできる世界だと思う。