同名アニメ映画のサントラで、リリースとしてはホワイトアルバムの後に出ているが、内容的にはそれより前の楽曲群なので、まずはこちらから聴いてみた。
再録も2曲くらいあるが、ここでしか聴けない曲は粒揃い。この価値に気付くのが随分遅かったので、ビートルズのアルバムではほとんど最後の方に聴いた作品だった。
何といっても『Hey Bulldog』がカッコいい。通常、洋楽で歌詞を気にすることはほとんどないんだけど、ここでの「Some kind of innocence is measured out in years」という言葉の乗せ方は、リズムとして引っかかった。「happiness」も「solitude」もそうだが、センスがいいなあと思う。
『All Together Now』も子供向けとはいえセンス爆発のポップスだと思うし、『Only a Northern Song』や『It's All To Much』といったジョージ・ハリスンの曲もとびきり変わっていて秀逸だ。『It's All To Much』は高橋幸宏もカバーしていたが、ここでの変なリズムの音は一体何だ。まるでテクノじゃないか。
音は当然良くて、後半のジョージ・マーティンの組曲なんかは荘厳ささえ漂う。正式なアルバムとして認められたのがCD化後とはいえ、なかなか見逃せないタイトルだ。でもやっぱり前半しか聴かないかも。
