『ヒート・スケール』サンセッツ

f:id:tyunne:20181014112738j:plain

サンディー&サンセッツは実はあまり積極的に聴いてはこなかった。細野晴臣がプロデュースしていたりするので、普通であれば手が伸びていそうなものだが、何となく当時はシーナ&ロケッツとイメージが被っていたりして、「ちょっと毛色が違う」という印象があったのだ。スネークマンショーで『ジミー・マック』を聴いていたのも一因かな。『レモンティー』と似てるんですよね、印象が。

このアルバムは81年リリースの1st。まだサンセッツ名義だ。プロデュースは細野晴臣。名盤との呼び声も高いが、音は若干暗め。初期トーキングヘッズに似ている感じがする。年代的に近いからか、『Gong Loop』で細野の当時のソロ『フィルハーモニー』のラスト曲『エア・コン』で鳴っている音が聴こえてきたのは驚いた。

この後サンディー&サンセッツは『スティッキー・ミュージック』がオーストラリアでヒットしたりして、少しだけメジャーになるが、自分が初めて手にしたのはサンディーのソロ作『マーシー』からだ。このアルバムは良かった。この後『パシフィカ』『ドリーム・キャッチャー』と続く3連発は、当時のワールド・ミュージックのブームと相俟って、非常にバランスのとれた、カッコいいアジアのポップミュージックとして独自の世界観を持っていたと思う。

その後、サンディーは自らのルーツであるハワイの音楽に傾倒していくが、単なるニュー・ウェイヴではなくハイブリッドなアーティストとしての魅力を備えていたからこそ、いまだにアクティブなんだろうと思う。