グランドファーザーズ『GOLDEN HARVEST』

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青山陽一がメジャーに移籍する際に出たグランドファーザーズのこのベスト盤もずっと探していたが、久しぶりにやったヤフオクでやっと確保。実は個人的にこの作品はいわくつきのもので、前回アマゾンで出品者から購入した際には宅配便の紛失に遭い、手元に届かなかった。ということで念願の取得、かつ良心的な値段で非常に良かった。

グランドファーザーズ青山陽一や現カーネーションの太田譲がいたバンドで、鈴木博文のメトロトロンから2枚アルバムを発表している。ムーンライダーズカーネーションの弟的なバンドだが、独特の言葉の選び方と妙な爽やかさで非常に好きなバンドだった。

 

ベストトラックは『二つの魚影』。これは無敵だ。青山陽一のキャリアを通じてでもNO.1だと思う。アルバム未収録の曲がいくつか入っているが、ナゴムからのデビュー・シングル『流れ星老人』が楽しみだった。まるでハルメンズの『焼きそば老人』みたいなタイトルだが、意外とシンプルな曲。やっぱり詞が異常なんだな、この人は。『にんじん』と『石のうさぎ』も初めて聴くが、どちらもライブ・バージョンだからか、ギターのよく鳴る曲だった。

グランドファーザーズは1枚目のほのぼのとした路線から青山陽一のソロを挟んだ2枚目でソウル色が若干濃くなっていった不思議なバンドだった。その後、青山陽一が息の長い活動をしてくれているので嬉しい限りだが、驚くのは音がまったく古びないこと。昨日のゴンチチのラジオでカーネーションの前身バンドの耳鼻咽喉科の曲がかかった時もゴンザレス三上が「今聴いても通用する」とコメントしていたが、ライダーズ一派のバンドに共通する時空を越える感じはここでも共有されている。