ロバート・ワイアット『ドンデスタン』

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91年リリースのこの6作目からは大分音も整理されてきて、「今」聴けるクオリティになってきているように思う。次作『シュリープ』から傑作続きのはずなので、この展開は良かった。

 

細かくリズムを刻むドラムといい、生ピアノの音といい、開かれてきた感じがあって非常に心地良い。ロバート・ワイアットは現在イギリスの片田舎に暮らしているそうだが、この辺の距離の置き方とか数年以上のインターバルを置いてのリリースの仕方とか、スタンスとして尊敬に値するし、いい社会との接し方だと思う。反資本主義みたいなのもあるんだろうけど、そういう思想的な感触が音に出てこないのがいい。やっぱり80年代の音はヒリヒリしてたもんね。

ジャケットが毎回カラフルで綺麗なのは奥さんが描いてたんですね。