同じく72年にリリースされたデヴィッド・ボウイの出世作。デヴィッド・ボウイは自分の世代にとっては『レッツ・ダンス』の人だが、当時テレジオ7で見ていた『Ashes to Ashes』のPVが強烈に印象に残っていたので、再発時は『レッツ・ダンス』と『スケアリー・モンスターズ』だけ買って、手持ちの『ロウ』は何と売り払ってしまい、『ヤング・アメリカンズ』は友人にあげてしまった。そのくらい失礼なリスナーなので、名作といわれるこの作品も実は初めて聴いた訳だ。
知ってる曲は『Starman』と『Lady Stardust』だった。
意外と音が軽い、というのが第一印象。シンガーソングライター全盛の時代にあえてペルソナを演じてロックスター再来としてリスナーとの距離を再度引き離したグラムロックの旗手、みたいな語られようだが、ナイーブなスター志向のアーティストが呟いた独り言のような地味な世界が広がっているような気がする。
最近ラジオで聴いた『Seven』という曲が妙に気に入っているが、これなんかは最近の曲で、この頃を彷彿とさせる自己回帰的な曲だ。でもこれがいい。アコギに導かれて歌われる神経質そうなボーカルが耳に残る。実はそれがこの時期の醍醐味のような気がしている。