01年リリースの復活作を手にした。細野晴臣プロデュース。これは傑作。こんなに良かったとは!捨て曲ないじゃないですか。
丁度この頃はTin Panが復活した頃で、小坂忠も何と25年ぶりに作品をリリースした。参加メンバーは細野晴臣、林立夫、佐藤博、浜口茂外也、鈴木茂、佐橋佳幸と豪華極まりなく、曲によっては細野晴臣との共作もある。これは見逃していた。
ここでも『ほうろう』を再演しているが、むしろその他の曲の方がイキがいい。『Knocking on your heart』や『Birthday』なんて最高じゃないですか。『Sunshine』みたいな小品もなかなか聴かせる。オープニングとラストはゴスペルスタイルで、25年間に培った実績をチラリと覗かせるが、細野晴臣の提案で「アコースティックでいこう」となった全体像が非常に良い。この流れは小坂忠も言わずもがなだったようで、当時の空気をよく表している。
このあたりの復活ムードはゼロ年代を通じてYMOまで至る訳だが、この間聴いた『HORO2010』はそもそもボックスセット制作時に見つかったマルチトラックの発見がきっかけになっているそう。すなわちアーカイヴの制作が始点になり、スパイラルで円環のようにグルッと廻って一段上の元いた場所に戻ってきている訳だ。これは最近の流れなんじゃないかと思う。
鈴木茂も細野晴臣のステージに客演して復活するそうだし、10年代も面白くなっていきそうな予感がする。単なる懐古主義に陥らないところがいいですね。