スコラ 坂本龍一 音楽の学校 ドラムズ&ベース編第3回

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観ました。ベース編。今回は細野晴臣がメイン・ゲスト。最後のスライの演奏を聴きながらスケッチ・ショウの『Supreme Secret』を思い出したので『Audio Sponge』を聴きながらこれを書いています。

印象的だったのはベースの話よりも細野晴臣の受け答え。まず肯定するんですよ、相手の言ったことを。これはここ最近の傾向。肯定、というか繰り返しですね。キーワードを反復する。この現象と最後の「枯れた音」の話は相通じるような気がする。

「昔の演奏は攻撃的だった。今はあの音は出せない」と語る坂本龍一の発言に顕著なように、歳を重ねて出せる音というのがあって、それを細野晴臣ニューオーリンズのクラブでのあるベーシストの演奏から読み取ったそうだ。「これだ!」と。

その境地に達することは到底まだ無理だが、歳をとった人の味わい深い発言というのは、ある程度普通にいい歳のとり方をしている人からは内容の重みとともに伝わってくる。駄目なのは焦っている人、急いでいる人。これは周りも見えていないし、第一みっともない。電車なんかでよくいるんだな。相手に対するいたわりのない人も結構見かけるが、歳とってんだから当たり前みたいな態度は見苦しい。それがある種の達観も含めたゆっくりとした振る舞いに現れる人は綺麗だし勉強になる。なかなかそうはなれないが・・。

歳をとることを肯定しながらスマートに振る舞うこと。その辺を演奏も含めて感じた30分でありました。