クラフトワーク『ヨーロッパ特急』

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田島貴男も聴いているクラフトワークの77年作。これは久しぶりに聴いた。実家にアナログを置きっぱなしにしていたので、聴こうと思っても聴けなかった訳だが、最初に聴いた当時もおっかない印象があって、なかなか手にすることが少なかった作品だ。

 

TEEの歌詞にデヴィッド・ボウイとイギーポップが出てくるのは知らなかったが、実際『ロウ』の頃のデヴィッド・ボウイクラフトワークに心酔していたらしい。この辺の暗さと叙情がリンクしているのがこの時期の特徴で、ヨーロッパというのは奥が深いとつくづく思う。乾いていてかつ暗くてロマンティックというのはそうそう出せるもんではない。それが音で表現されているのがこのアルバムなんだろう。アートワークも徹底してクールで、一分の隙もない。ドイツというのは変わった国だ。

後半の曲群は切れ目が分からずいつの間にか終わっていて、ドキリとさせられる。最初に聴いた時も確かそう思ったなあ。「あっ、これで終わり?」みたいな。色んな意味で刺激的な作品だ。80年代に聴いた時には音が古く感じたが、今は逆に古びていない感じがするのはその後のテクノの攻勢がなせる技。クラッシックのようなアルバムだ。