pupa2作目。1stもそうだったが、pupaの音は夏に届けられる。音像が涼しげなので、この季節に非常に良く合う。たまたまなんだろうが・・。
1stより共作が多いので、かなり一体感がある。驚きはないが、逆にバンドの個性が出て来たように感じる。やはり1曲でボーカルを複数人でまわしていくのが奥行きを感じさせる。『If』なんかは曲だけ聴くと高野節だが、原田知世のボーカルが入ることでグッとバラエティが増してくる。
生ドラムが目立って来ているのも特徴的。高橋幸宏本人の曲(『Your Favorite Pain』など)では印象的なパートでドラムが入ってくるし、そもそも曲の作り方でメンバーが持ち寄った曲にまずは高橋幸宏がリズムをつけることで制作がスタートするそうなので、そこで一種の統一感が出るんだろう。
その中でもやはり高田蓮の曲だけは異色で、『Mr. Epigone』なんかのタメたリズムや『Circadian Rhythm』での暗さなんかは異彩を放っている気がする。
バンジョーやホーンの音が影で彩りを添えているのもポイントだ。ただクールなだけのエレクトロニカと違って、かつフォーク色の濃いフォークトロニカでもない温かさを醸し出しているのはこうした楽器の鳴り方や生ドラムの配置によるところが大きいのではないだろうか。
いずれにしろpupaの特徴を挙げるとすれば、複数のソングライターが持ち寄る曲を複数のボーカルで構成していくバラエティなんじゃないかと思う。そこに高橋幸宏のリズムが加わることで統一感が出てくるからくりとなっている。そして音像は涼しげ。ここがやっぱりポイントだ。エレクトロニカの果たす役割はこの涼しさのためにあると言っても過言ではないだろう。
ということで、また夏が来た、という感じ。8日のWORLD HAPPINESSも楽しみ。