砂原良徳『Subliminal』

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待望の新作。『Lovebeat』以来9年ぶりのオリジナルとなる。

サントラとしては『No Boys , No Cry』が昨年出ていて、これはこれでソロアルバムのようだったが、そこでの生楽器を多用したアプローチとは異なり、ほぼ電子音の構成。ただサントラでも漂っていた叙情性は継承している雰囲気がある。一聴してそれは感じた。

昨年のWORLD HAPPINESSでは『Lovebeat』の曲を中心に演奏していたが、静かな印象があったアルバムと違ってビートが肉感的に感じられた。今回の新作はその肉感性が顕著なように思う。ビートがきちんと配置されていて、非常にポップだ。普通のポップではなく、「構成美」という感じはするが。とにかくビートが鋭い。カッコいいですね。

砂原良徳コーネリアスの2000年以降の音は、音の配置、組み合わせによって楽曲を構成していくある種建築のような佇まいがあって、とても静かでロジカルな印象がある。そこが時代のムードを先取りしていてとても心地良かったが、今回はそれに先鋭感が付加されていているように思う。これはいい展開ですね。

フルアルバムも鋭意制作中とのことなので、楽しみだ。世の中にビートが戻ってくるのかな。