ステレオラブ『Not Music』

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活動休止していたはずのステレオラブから新作が届いた。前作でかなり曲を作りためていたようで、今回はその姉妹作のような趣。質感もあまり変わらない。しかしとりあえず目出たい。活動続けて欲しいなあ。

前作『ケミカル・コーズ』で70のリズム・パターンを作ったそうで、今回のアルバムでは1曲の中でリズムが変わる曲が多い。その辺は相変わらずスリリングだが、基本的に生音の比重が高い方が恍惚度が大きい。ただ音色がポコポコしているので、軽めに響いてくる。名作『ミルキー・ナイト』の頃のようなジャズっぽい音響派のような堪らなくカッコいい風情は左程望めないが、それでも「やってる、やってる」という感じ。レトロ・フューチャーフレンチ・ポップというようなステレオラブ印は健在だ。

「おおっ、これは!」という突き抜けて洒落ている楽曲がないのが少し寂しい。飽きは来ないが多少単調になり気味。佇まいがポップなので一見とっつきやすいが、滲みてくるのは5年後くらいになるかもしれない。