アイズレー・ブラザーズ『Winner Takes All』

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79年リリース。その名も「一人勝ち」だ。元々は2枚組で、全14曲、72分の大作。当時のアイズレーの自信がうかがえる。世間的には今ひとつの評判だったりもするが、どうしてどうして、結構いいじゃない。日本初CD化で2010年リマスターだ。目出たい!

A面はファンクサイド。といっても『リキッド・ラヴ』なんかは緩めでいい感じだ。その後のタイトル曲は前曲と何が違うの?と思ったりもするが、そこはワンパターンのアイズレー、ご愛嬌だ。

先日も書いた冨田ラボのi-Radioで1978年最強説が唱えられているが、要は人力のピークが78年ということなんだそうだ。

http://tomitalab.i-radio.fm/

79年くらいからは80年代の匂いが滲み出てくるそうだが、確かにYMOの1stも78年の11月リリースですもんね。

世はディスコ・ブームの真っただ中。B面には『ディスコ・ナイト』なんて曲もあったりするが、確かにアーニー・アイズレーのギターは若干控えめに聴こえる。その辺がジミヘン直系のギターサウンドに心酔する向きから避けられるのかもしれないが、それは偏見ってもんだ。アイズレーはそれだけじゃないもんね。確かに前作以降、音が洗練されて落ち着いては来ているが、曲は言われる程悪くない。アイズレーはギターとキーボードでリフを作っていく希有なグルーヴなんだそうだが、確かに言われてみればそういう感じに聴こえる。後期はそのキーボードが目立ってきたのかな?リズムはやはり平坦な気がする。

そしてC面。必殺のメロウサイドだ。やっぱアイズレーはこれだよな。ピークはやはり『キー・トゥ・マイ・ハート』と『ユー・アー・ビサイド・ミー』のメドレーかな。

 

で、D面。『レット・ミー・イン・ユア・ライフ』は『グルーヴィー・アイズレーズ』に入ってたな。こうして見るとやっぱりグルーヴィーとメロウのコンピ2作は今回のアイズレーを聴く際の指南役になっている。感謝感謝。考えてみればあのコンピにもファンク系の曲はあんまり入ってなかったなあ。やっぱり90年代クラブ系の再評価はメロウ寄りだったんだろうな。