アイズレー・ブラザーズ『Go All The Way』

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80年リリース、日本初CD化。洗練化されたディスコ(風)のタイトル曲で幕を開ける。元々若手3人組でのリリースが計画されていたというから、その後の分裂を予測するかのような暗雲が立ち籠め始める。かと思いきや、曲の方は軽快極まりなく往年の勢いを感じさせるクオリティだと思う。『Say You Will』なんかもいいじゃん。『シルクの似合う夜』へメロウ一直線、みたいな単純な話ではないな、どうも。

その後の『Pass It On』もゴキゲンだ。ファンクというより結構グルーヴィーじゃない。ゴリゴリ行くよりこっちの路線の方が好きだなあ、メロディアスで。確かに前作にあった平坦さは修正されていて、70年代のテイストが継承された音づくりになっている。きっとクリス・ジャスパーがイニシアチブをとった影響が強いんだろう。元気があっていい。

B面はお待たせのメロウがスタート。とは言ってもユルユルのメロウネスではなくグルーヴィーなのがいい。うん、これ結構いいアルバムだな。メロディがいいもの。『Here We Go Again』好きです。

 

次の『Don't Say Goodnight』はもっとスロウで、キーボードのポワッポワッという音が印象的。この辺は必殺ですな。関係ないけど私は必殺仕事人が大好きで、あの予定調和が何ともいえない日本人向け、と考えていたが、これはソウルにも共通する何かがあるように思う。みんな定番が好きなんですよ、洋の東西を問わず。なんてね。

全体にベースもゴリゴリいってるし、何よりキーボードの鳴りがいい。たしかに若手主導のアルバムなんだな。その後分裂してしまうのがほんとに惜しい。もうちょっとやれば良かったのになあ。