高橋幸宏『ブロードキャスト・フロム・ヘブン』

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さて、ここから心痛3部作。鈴木慶一が作詞している曲が沢山あって嬉しい。

精神的に一番きつかった頃の作品で、ほとんどの曲を他人の作詞に委ねている。『1%の関係』でかなり救われたそうだ。90年リリース。当時は全くといっていい程ノーケアだった。しかし天国から放送しちゃうんだから凄いよな。痛いなあ、そのテーマ。

『EGO』に比べて音の質感は抑えめだが、それにしてもTENT時代のような甘い感じはあまりなく、もう少しヒリヒリしている感じだ。それでも基本的にはあったかい音。

この感じはきっと後でジワジワ効いてくるんだ。奥田民生の新作がそうだったように。『OTRL』は最初聴いた時は地味に感じたんだが、今ではほんとによく聴いている。曲がいいんだもの。さてこの作品もそうなるのか?

リハビリテーション』なんて曲まである。ニューオーリンズのリズムを音頭みたいに響かす変わった曲だが詞は痛い。辛かったんだろうなあ。「自分を救わなくちゃ」なんて・・。鈴木慶一は『何だ?この、ユーウツは!!』をもう歌えないと言っていたが、この曲なんかもそんな感じだ。まだ曲調が明るいからいいが、その当時の気持ちというのは思い出したくないだろう。またそうなるかもしれない恐怖感が先に立ってしまうから。そういう意味では神聖かまってちゃんは凄いと思う。

最後はバカラックで救われておしまい。うん、終わり方が綺麗ですね。