アイズレー・ブラザーズ『ビッグ・スリル』

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82年リリース。この作品は久々にファンクが復活してロナルド・アイズレーのシャウトが炸裂しているという見逃されがちなアルバム。確かに1曲目から飛ばしている。70年代の絶頂期を彷彿とさせるが、メロウ派の自分としては「で?」という感じもある。

3+3体制分裂寸前ということで色々な意図が読み取れるが、結局このアルバムが成功しなかったことで次の必殺メロウ路線『シルクの似合う夜』が生まれて大ヒットするんだから不思議なものだ。この振れ幅と緻密にマーケットの反応を見て姿を変える戦略的志向がアイズレーの特徴のひとつ。

『Are You With Me』ではZappみたいなトークボックスも登場。Zappは昨日中古屋で買うかどうか散々迷ったが、いずれ買い集めたいと思ってます。有明にライブを観に行ったのが懐かしい。もう何年前になるんだろう。ロジャー死んじゃったもんなあ。

しかしアイズレー原理主義者がアーニーのギターを必要以上に欲するのは結局はジミヘンが好きなだけなんじゃないだろうか?どうもジミヘン狂は好きになれない。センス悪いんだよね、ファンの人が。まあ一部の感想ですけど。

B面に行くと少し戻ってくる。『It's Alright With Me』なんかはポップでいい。『All In My Lover's Eyes』はメロウ爆発。いいなあ、間奏の転調を含んだキーボードも味があって。コーラスワークもOK。こちらもテイストも全盛期に近いですね。ギターも泣いてるし。

それにしても山下達郎もクレイジー・ケン・バンドの横山剣もアイズレーフリークなんだそうで、推して知るべし。CKBも集めなくちゃ。次の『オール・フォー・ユー』もいいねえ。