78年リリース。オープニングはジャズというよりラグタイム風の印象だ。坂本龍一のスコラでのジャズの回でもそのルーツにラグタイムやマーチがあることが触れられていたが、その辺りを30年以上前に世の中に提示した貴重な記録だ。本人は駄作扱いしているそうだが・・。
このアルバムはずっと中古で探していて、先日柏でやっと見つけたがその時は手を出さなかった。でも御茶ノ水で買っちゃいました。それにしてもどこを切っても従来の「ジャズ」の響きは聴こえてこない。ジャズが捨てていったものを遡って拾い上げたアルバムなんだそうだが、アプローチが渋過ぎる。いいですねえ。何者なんだ、この人は。
ジャズがとり得たかもしれない方向性。それを再現、発展させるという学術的なアイディアの割にはサウンドは綺麗に響いていく。ギターの音色はまるで交響曲のようで、爪弾く音達は煌めきながら落ちていく雨粒のようだ。