フランク・ザッパ&ザ・マザーズ・オブ・インヴェンション『Absolutely Free』

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サニーデイの新譜で2010年を締めくくろうと思ったが、家人が紅白を見ながら年が明けるまで寝そうもないので仕方なくザッパの2ndも聴くことにした。67年リリース。アナログからの買い直しだ。

1stの『フリーク・アウト』が意外に聴きやすい内容だったのに比べて、本作の混沌具合には最初聴いた時面食らった。今聴くとそうでもないんだが、ジャケットの強烈なカッコ良さと合わせて眺めているだけでほれぼれしていたのが実状だ。

インプロヴィゼーションの曲なんかも増えてきていて、後の展開を予想させるグレイトな仕上がり。60年代のザッパは必殺の2枚組『アンクル・ミート』にとどめを刺すような気がするが、このアルバムや3rdの『We're Only In It For The Money』ジャズロック3部作の一発目『Hot Rats』等他にも名盤が目白押しだ。

A面もB面も組曲みたいに繋がっていて曲間がない。たたみかけてくるポップなフレーズが前衛色に染められてパッケージされている。トッド・ラングレンで言えば『A Wizard, A True Star』のA面のようなイメージ。

CDではシングルの2曲がボーナストラックで入っていたんですね。知りませんでした。『Big Leg Emma』のオリジナル・バージョンは恥ずかしながら初めて聴いた。結構のほほんとしていていいですね。『Why Don'tcha Do Me Right?』なんて既に間奏でギターが唸ってるじゃないですか。

しっかしまあ『フリーク・アウト』の時にも書いたが、当時よくこんな変なアルバムの発売に許可を出したもんだ。売れるわけないじゃないか、なあんてカッコいいんですけどね。